その他機械類
・装甲マキナ支援車シャルトルズ
製造:カミノ自動車製造
運用:企業連合軍
主機関:石鎚発動機製、IE-DD10000P甲型エーテル機関
装甲素材:玉泉マテリアル製、RE3級自動修復合金複合材及び電磁反応装甲
走行装置:全装軌式
基本乗員:6人(クルー3人、機甲歩兵3人)
固定武装:チェーンガン、車載機関銃、発煙弾発射器
追加武装:車載式誘導弾発射器、自動擲弾銃、他
その他装備:簡易型マキナ整備ステーション×3
【概要】
企業連合軍が運用したマキナ支援車両。
第二世代型マキナの主力化に伴い、機甲歩兵の運用が加速度的に拡大したことを受け、最前線における作戦柔軟性を拡張することを目的に開発が始まり、武装の大幅な強化などを行って戦線へ配備された。
最初は第二世代型マキナ3機分の整備作業が行え、マキナへの武器弾薬補給が可能であることだけが求められていたが、試験運用の際に自己防衛能力及び機甲歩兵隊への支援能力を有する必要があると判断されたことから、完成間近で設計変更が行われ、チェーンガンを搭載する砲塔が追加された他、砲塔直下部に遠隔式の砲手席が増設されている。そのため、内部構造が複雑化しており、元々砲塔部分に設けられていた上部ハッチが、車載機関銃と共に砲塔上部へ移され、砲手席内部に機関銃手兼車長用タラップが設けられた。このタラップは砲塔がほとんどどの方向を向いていてもハッチアクセスできるよう、上部は壁面全体へバーが伸びる構造をとっている。
操縦席は車両前方に置かれ、深く腰掛けるような形で乗り込んだドライバーが、外部の状況を全方位モニターで確認できるよう設計されている。なお、外部視界喪失時及び脱出用として上部に運転者用ハッチも設置されている。操縦方式は運転の容易化から、一般的な自動車と同じハンドルとペダルを使用する方式が取られ、ハンドルを左右限界まで回すと超信地旋回を行える仕様になっている。
車体後方には観音開きの大きなハッチがあり、その直前部に兵員用座席が置かれ、砲手席との間に簡易型マキナ整備ステーションが設置されている。この配置は砲手席の前方に多目的荷物室が設置されていることによるもので、整備作業におけるアクセスを改善している。多目的荷物室は長期間の単独行動を想定したもので、マキナやシャルトルズ自身の武器弾薬に限らず、食料や医薬品などを多数搭載可能。
戦闘面においては、上述の理由からチェーンガンの装備により火力の向上が図られており、装弾筒付徹甲弾を使用すれば装甲目標の撃破も可能だった。近接防御火器として備える車載機関銃は、主力戦車や兵員輸送車などにも搭載される一般的なもので、砲手席からの遠隔操作も可能としているなど、防御火力はそれなりに高い。ただ、マキナの積載に加えて簡易拠点的な運用を求められたことにより、一般的な装甲車よりもかなり車体が大型で被弾面積が広く、装甲厚を向上させてもなお対装甲火力を持つ敵との直接戦闘には向かず、生存性の問題から現場での評価はあまり芳しくなかった。
【玉匣について】
生命保管システム内に残されていたシャルトルズを、ダマルが整備修復した物。車体色はカーキ。
元々の所属や運用に関しては、内部データベースが破損していたため分かっておらず、ダマルは施設防衛部隊に増援として到着した物が、そのまま放棄されたのではないかと予想している。
パイロットの都合上、マキナを複数運用する前提がなかったことで、簡易型マキナ整備ステーションの数を2基に減らすと共に。片側の座席を撤去。代わりに壁掛け型の寝台を上下2基設置して居住性を向上させている。なお、壁掛け型寝台の採用は、武装したマキナの移動を妨げないようにするための工夫。その他の内装や外観は一般的なシャルトルズとほぼ変わらない。
武装に関しては、ほとんどの期間を固定装備のみのシンプルな状態で活動しているが、ユライアシティ付近の封印された遺跡から、雪石製薬地下研究所までの期間は車載用誘導弾発射器を一時的に装備していた。
【派生型】
・シンギュラータ
元の設計に立ち返り砲塔を撤去した輸送型。兵員室と多目的荷物室の拡大によって、最大6機のマキナと機甲歩兵を同時運用可能としている。主にシャルトルズのマキナ搭載数を補う目的で機甲歩兵小隊に配備、運用された。作中には登場しない。
・ロングホーン
更なる火力増強を求め、主砲を高圧低反動滑腔砲に換装した機甲駆逐車型。砲塔の大型化と砲弾搭載スペースの確保が必要となったことから、マキナの搭載数が2機に減じている他、砲塔上のハッチが廃止され、車載機関銃も完全遠隔式に変更されている。本来求められていた機甲歩兵隊の支援能力が低下したことが問題視されたことで、生産は少数にとどまっている。作中には登場しない。
・TI300M偵察用オートバイ
製造:石鎚発動機
運用:企業連合軍、民間
主機関:石鎚発動機製、IE351S丁型エーテル機関
変速方式:6速自動式及びフットシフト併用
動力伝達方式:チェーンドライブ
最大乗員:2名
【概要】
企業連合軍が正式採用していたオフロードタイプの自動二輪車。主に前線の偵察部隊や近距離基地間の連絡用として利用された。
民間向けオフロードバイクのTI300を元に小改造が施されたモデルであり、銃火器携帯用の固定具と小型通信機が標準装備されている。長年に渡り、生存性に問題があることから戦闘偵察車への置き換えが検討されていたものの、不整地路走破性と山岳地などにおける高い機動性から先延ばしが続き、結局文明崩壊まで前線で活躍し続けた。
作中では雪石製薬地下研究所で発見され、ダマルが修復した物が登場。玉匣一行の簡便な移動手段として用いられている。
・装輪走行指揮通信車レグホーン
製造:カミノ自動車製造
運用:企業連合軍
主機関:石鎚発動機製、IE-DF8000P甲型エーテル機関
装甲素材:玉泉マテリアル製、RE3級自動修復合金複合材及び電磁反応装甲
走行装置:装輪式(6輪駆動)
基本乗員:6人
固定武装:車載機関銃
追加武装:自動擲弾銃、発煙弾発射器
その他装備:衛星通信設備、集中式データリンクシステム
【概要】
企業連合軍が使用した前線指揮車。部隊間における指揮通信系統の円滑化から、後方部隊や作戦司令本部、衛星等からの情報を取得する目的で開発、運用された。
大型大出力の折り畳み式通信アンテナを装備していることが見た目上最大の特徴。武装は最低限の対人用自衛用火器を備えるのみで、対機甲戦能力は有さないため、護衛として機甲歩兵小隊や装輪戦車小隊の随伴を基本としていた。
高い情報処理能力とジャミング耐性を持つ他、ステルス幕程度の簡易的な隠匿を無効化することが可能。また、衛星通信能力を利用して軍事衛星へのアクセスを可能としており、権限さえあれば前線から衛星戦略兵器、または衛星戦術兵器の使用も可能だった。これらの高性能から前線部隊では重宝される存在だったが、多数の機能を集約したことで1台のコストがシャルトルズの10倍以上となってしまい、本来目標としていた中隊への配備が頓挫。ほとんどが大隊規模での運用となっていた。
作中ではガーデンに保管されていた車両が登場。カール・ローマン・リッゲンバッハからの依頼を受けて、パシナとサンスカーラ・フォン・ロールの手でダマルの元へ届けられた。その後、衛星へのアクセス能力を駆使して天雷を起動。クロウドン災禍の終結に重要な役割を果たしている。
・千種級エア・クッション型揚陸艇
製造:星崎造船所
運用:企業連合軍
主機関:金蘭機関製、GB870SF甲型エーテル機関×4
推進機:可変ピッチプロペラ×2、旋回式スラスター×2
基本乗員:10人
固定武装:遠隔操作式自動擲弾銃×2、自動制御式ガトリング砲×4
追加武装:3連装対戦車誘導弾発射器、対潜ロケットポッド、他
その他装備:人員輸送モジュール
【概要】
ウェルドックを備える揚陸艦への搭載を前提として開発されたエア・クッション型揚陸艇。
神代時点で既に旧式の舟艇だったが後継に恵まれず、汎用性の高さと比較的操船が容易だったこともあり、揚陸艦搭載用および近距離輸送用としての運用が続けられていた。
車両や物資の輸送及び揚陸が主な役割であり、飛行能力を持たない第一世代型マキナの輸送にも用いられている。主力戦車なら最大2両、装甲マキナ支援車シャルトルズなら最大4両、第一世代型マキナなら30~40機を同時に輸送することが可能だった。
エア・クッション艇の特徴としてかなりの快速を誇るとともに、高いビーチング能力も持つ一方、波浪には極端に弱く悪天候下では大きく速力を落とさねばならず、波の高さが一定を超えると移動すらままならなくなるという欠点もあった。
【同型艇】
・白藍
千種級の1隻。マキナ輸送能力が強化された後期型グループに属する。作中ではカール・ローマン・リッゲンバッハがテクニカから脱出する際、パシナに操船させる形で使用し、その後はガーデンのドライドックに保管されていた。その後、ガーデンを訪れた恭一たちに対してパシナと共に貸し出され、恭一を除く玉匣メンバーがベル地中海を渡る手段として利用した他、サンスカーラ・フォン・ロールが装輪走行指揮通信車レグホーンをクロウドンへ輸送する際にも使用している。
・クラッカー
製造:八重山自動機、ブロッサム・イーサミクス
運用:企業連合軍、共和国軍、警察機関、民間警備会社、他
主機関:八重山ドライブ製、YD15SS丁型エーテル機関
装甲素材:多宝ケミカル製、軽量アルミニウム合金及び強化樹脂
固定武装:スタンガン
追加武装:対人用機銃(拳銃弾仕様)、重機関銃、自動擲弾銃、ハーモニックブレード、他
【概要】
警備用に設計された自動機械。休戦期間中に結ばれた企業連合と共和国の経済協定に基づき、両国のロボティクスメーカーによる共同開発が行われた珍しい機械。そのため、形式番号が付与されておらず、製造両社ではシリアル番号のみによる管理が行われており、休戦が終了し共同関係が崩れた後に生産された機体には、同じシリアルを持つ物が存在しているとされる。
倒れた円筒形の胴体部を持ち、その両端には2本のマニピュレータ、底部中央に4本の細い足、天面に全方位カメラを備えるという異形な作り。民間向けであることから、スタンガンと小型のマニピュレータを装備するのみという軽武装で、装甲もほとんど施されていない。基本インターフェースは音声認識と携帯端末のアプリによる操作だが、待機ポッド接続時にはより詳細な設定を行うことができる。
自動機械としては非常に安価であり、構造も比較的単純で使用場面を選ばない汎用性も備えていたため、大量生産が行われて社会に浸透した。この高い生産性に目を付けた両軍は、休戦期間が終了すると同時に生産メーカーに対して改良の指示を出し、軍用となる派生型が多数線上に配備されている。
文明崩壊後の世界においては、人を無差別に襲う存在として鉄蟹と呼び恐れられ、遺跡付近に多く生息していることから、コレクタにとって大きな脅威と認知されている。これは待機ポッドを通じて侵入した、マキナを暴走させるウイルスプログラムによる汚染を受けた結果だと考えられている。
【派生型】
・重クラッカー
重武装が施された軍用モデル。見た目は通常型を一回り大きくした程度の差だが、フレームと駆動系が大幅に強化されたことで、部分的ながら防弾鋼板を備える他、自動擲弾銃やハーモニックブレードなどを搭載し、戦闘力を大幅に強化している。
作中では、雪石製薬地下研究所において警備のために配備されていた機体が、侵入した玉匣一行を迎え撃った他、ガーデンに保管されていた機体が、マオリィネ指揮の元ユライアシティ攻防戦に投入され、北門のカサドール帝国軍部隊に大打撃を与えた後、大型ミクスチャとも交戦し全機を喪失している。
・GI型オートメック
製造:玉泉産機
運用:企業連合軍、警察機関、民間企業、他
主機関:金蘭機関製、GA117SC丁型エーテル機関
外殻素材:多宝ケミカル製、アルミニウム合金及び強化樹脂
【概要】
企業連合軍で最も多く使用された自動整備機械。大型のアイユニットを備えるアイロンのような形状のボディと、その底面から延びる短い逆関節型2脚が特徴。全高は成人の腰丈を少し超える程度。
ボディ内部に多数のツールアームを装備しており、外殻を開放することで展開が可能。機体内部には拡張用のスペースが設けられており、カスタマーの要望に応じた改造に対応していた。インターフェースは音声会話式と端末指示の両方を採用していたが、システム軽量化のために会話デバイスを解除し、より軽量な信号式やジェスチャー式に変更される例も多かった。
旧式の八重山45型を更新する形で企業連合軍に採用され、文明崩壊以前にはどこの基地でも目にするほど一般化していたとされる他、民間企業への浸透も進んでいた。
作中ではカール・ローマン・リッゲンバッハが個人的に所有していた改造機であるパシナと、ガーデン所属オートメックとして企業連合軍所属の量産型が複数が登場している。
・八重山45型オートメック
製造:八重山自動機
運用:企業連合軍、警察機関、民間企業、他
主機関:八重山ドライブ製、YD10SS丁型エーテル機関
装甲素材:多宝ケミカル製、アルミニウム合金及び強化樹脂
【概要】
多方面で使用されていた汎用自動整備機械。4輪のゴムタイヤで稼働する四角錐台のボディを持ち、正面方向上部には発光式のカメラユニットが存在する。
ボディ内部に多数のツールアームを備えており、外殻側面を開いて展開し作業を行う。このアーム収納部分には空間的な余裕があり、簡易的な荷物入れとして使われている例が多かった。
インターフェースは音声会話式と信号式、端末アクセスを組み合わせたものだったが、処理領域を確保する目的で音声会話デバイスが削除されている機体が多かった。なお、音声会話デバイスが生きていると非常に甲高い声でよく喋ることから、これを嫌って外されることも多々あったとされる。
オートメックの一時代を築いた製品であり、企業連合国内だけに限らず共和国へも少数が輸出されている。ただ、800年前の時点において既に旧式化しており、軍用においては玉泉産機のGI型にとってかわられていた。一方、後継機よりも堅牢であることを理由に一部カスタマーから根強い人気があり、様々な改造を施されながら延命している機体も多かった。
作中にはコルニッシュ・ボイントンが個人所有していた改造機のサラマンカが登場。イーサセラ・テクニカでのマキナ整備作業に従事していた。
・偵察ドローン
【概要】
歩兵部隊や砲兵部隊が、偵察や情報収集に使用した遠隔式超小型飛行装置。手のひらよりもやや大きい程度のボディに、カメラの他にレーザー発信装置を備え、砲撃の誘導などを行うことも可能だった。作中ではガーデンに保管されていたものが登場し、甲鉄隊の砲撃誘導を行う目的でダマルが使用している。
・管理ロボット
【概要】
半球形をした小型の自動機械。
施設の保守点検を自動で行うロボットであり、建物内の清掃から消耗品の交換、簡易的な整備作業と異常報告もこなす。主な移動時は小型ローラーを用いて地上を走行するが、空気圧を用いて吸着する足も別に備えており、壁面や天井などを上って作業時を行うことも可能。また、何らかの問題によって機体がひっくり返ってしまった場合は、この足を激しく動かして姿勢を戻そうとする。
作中ではガーデンの施設維持を行っている機体が登場。上記の行動を見たポラリスに、気持ち悪いと称されている。
・天雷
製造:企業連合宇宙開発機構グループ
運用:企業連合軍
主機関:不明
装甲素材:不明
固定装備:戦略レーザー砲、自己防衛用火器(詳細不明)
【概要】
企業連合軍宇宙局が打ち上げ、運用を行っていた軍事衛星。地上からの目標指示に従って軌道上を自動で移動、超高出力の収束レーザーによって対象地域を焼き払う戦略兵器。
偽装のため、通常時は一般的なGPS衛星として動作していたが、開戦前に締結された大量破壊兵器の使用禁止条約によって偽装理由を失い、砂漠地帯への照射試験に用いられた。この時、一般向けにも情報が公開されたことで、名前と威力を世間に知られることとなる。その後は廃棄予定として休眠措置が取られたものの、天雷に偽装した別の衛星を墜落させることで、秘匿状態のまま維持され続けた。
禁止兵器の一斉投入が行われた文明崩壊時には、本兵器も休眠を解かれて再起動。初めて実戦で対地照射を実施し、共和国の首都を焼き払っている。なお、自己防衛装置の作動と、先に多数の衛星が破壊されたことで生まれたデブリによって、対衛星ミサイルなどによる破壊を免れ、文明崩壊後まで休眠状態で生き残ることとなった。
内部は管理ロボットによって維持が行われている他、自動修復装甲の技術が全体へ応用されたことで高い保守性と環境耐性を持つ。
制御系統は厳重なセキュリティがかけられており、戦略レーザーを使用する際は企業連合総長のコード認証のみを受け付ける。ただ、戦略兵器という特徴から冗長性が確保されており、衛星通信さえ可能ならどのような場所からでもアクセスでき、コードの認証が行われれば即座に照射状態へ移行できた。
作中では、カール・ローマン・リッゲンバッハがガーデンからのスキャンにより、休眠状態の本兵器が発見され、装輪装甲指揮通信車レグホーンに制御系が構築されている。その後、帝都クロウドン近郊に居たダマルの元へ届けられ、アンノウンへ向かって照射を行い、クロウドン災禍を収束させている。
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