第8話 転移後初H♥

「見てください、英成くん! あの鳥は図鑑でも見たことありません」

「いやぁ、俺も鳥は詳しくねえし……」

「この、花! この花も私は初めて見ました! 間違いありません! 華道を嗜んでいる私のいう事に間違いはありません! ここは、日本ではなく異世界なのです!」

「そう言われても……」


 見たことない鳥が、花が、植物がと興奮する刹華だが、動植物に詳しくない英成には分からない。

 学年トップの成績を誇る刹華が強調するからには、本当なのかもしれないと思いつつも、やはり英成はまだ簡単に自分が今いる場所を異世界と受け入れられない。

 とはいえ、自宅から一瞬でこんな場所まで来てしまったことを説明できないのもまた事実だった。


「あぁ~、まさかオルタが魔法使いで、幼いころより憧れた異世界にこうしてくることができるとは……私、英成くんのセフレになれて幸せです!」

「お、おお、そうか……そ、それはどうも」

「さーて、英成くん。これから冒険が始まりますよ! まずは人の居る街か村に行って情報収集……の前に!」


 そう言って、刹華は咳払いし、手を前にかざし……


「ステータスオープン!」 

「……」

「……ステータスオープン!」

「……」


 目を輝かせてそう叫ぶが、何も起こらない。


「……おい」

「ふむ、どうやらステータス表記は無いようですね! でも、異世界転移の特典はきっと何かあるはずです!」

「と、特典……あ~、そういえば神様に与えられる的なか……お前の好きなアニメとかにあった……でも、あんま変わったことは……せーぜいこの胸元の痣が刻まれたぐらいだな」

「そうです! そして、オルタの話ではこれが数字で、手紙によるとこの数字を10以上にしろとのこと……そして、このクスリを飲めという事でしたね!」


 そう言って鼻息荒くしながら手紙に入っていた小さな小瓶を掲げる刹華。見れば見るほど怪しい色の正体不明の液体に、英成は後ずさりする。


「ひょっとしたら、このクスリは異世界で生き抜くための能力を引き出す魔法のクスリ……かもしれませんね! 英成くん、飲んでみましょう!」

「い、いや、ちょっと待て! 飲むって、こんなのをか!? 怪しいぞ!?」

「でも、手紙にはそう書いてますよ! いつだって、覚醒の魔法のクスリは苦しです!」

「その手紙も怪しいだろうが!」

「でも、オルタのお母さんですよ? 一応あなたの奥さんという……ちょっとムッとします……けど、少なくとも毒とかそういう類のモノではないと思います」

「つってもよ~……って、なんで俺の奥さんになるんだよ。人違いだろ?」

「いえ、きっと並行世界、もしくは未来―――」

「あ~、はいはい。もうあんまりオタク用語を捲し立てるな。知らねーものは知らねえよ」


 正直、英成からすればまずは森を抜けて自分たちの居場所を確認する方を先決したかったが、興奮している刹華はクスリを飲むことを優先しようとする。

 そこで……


「では、こうしましょう。このクスリ、二人で飲みましょう」

「ん? ん~……」

「私も飲みます。それでいいではないですか! ね? ね!」

「お前……これ飲んだら何か異世界の力が目覚めるかも~って思ってるだろ……あ~もう、しゃーねえな」


 自分も飲むからクスリを早く飲んでみようとせかす刹華。

 そこまで言われると、流石に英成も観念するしかなかった。

 小瓶の中身を刹華と半分ずつにするということで受け入れた。


「では、先に私から飲みますね」

「お、おお」


 気が進まない英成に、ノリノリの刹華。まるで真逆の様子の二人だが、いずれにせよ二人は謎のクスリを……


「ん、匂いはそれほどでも……ごく……っ、苦い……ですが、いつも『英成くんのモノ』を飲んでいる私はこれしき! はい、英成くん」

「お、おお……あ~~、てい!」


 覚悟を決めて一気に飲む。

 そして……


「……ん~……どうですか?」

「……さ、さぁ?」

「何か変化は? ……ッ!?」

「……おっ?!」


 飲んで数秒後、二人は肉体の異変に気付く。

 体が無性に熱く、鼓動もとてつもなく早くなる。


「こ、これは! 熱いです……覚醒の時が来たのかもしれません!」

「っ、ま、マジか!? た、確かに体がどんどん……どんどん……はあ、はあ、はあ、はあ」

「っ、ん、あ、っ、英成くん、どう、でしょう……っ!? え、英成くん!?」

「あ?」

「そ、それ……」


 体の異常が止まらない。そして、刹華が内股になってモゾモゾとしたとき、英成の体の変化に気づいた。

 それは……


「うおっ!? な、なんで!?」


 それは、性的興奮の証明に他ならない。

 だが、それは英成自身も信じられないと驚いた。


「ちょ、え、英成くん、こ、こんなときに……はあ、はあ、あ、あなたは、今日、雛川さんと3回……生徒会長室で私と1回して……4回もして……」

「だ、だよな、で、でも、や、やべえ!」 


 既に本日はスケベで女好きな自分でも十分満足なほど、午前中に女遊びをしてきたのだ。

 それなのにここに来て、こんな未だかつてないほど燃え上がるなど、英成自身にも信じられなかった。

 だが……


「なんか、はあ、はあ、はあ、はあ……っ、刹華……お前……っ」


 累計でこれまで何回交わったかも数えきれないほどの刹華。

 英成にとっては、刹華の体は知り尽くしている。

 しかし、刹華のスラッと白く細い手足や、形も大きさも手ごろでまだ成長の楽しみもある胸や尻、何よりも制服の短いスカート、そして決して飽きることのない美貌。

 刹華の全てに英成は涎が止まらない。


「せ、刹華ぁ、ぱんつみせて」

「ふぇ? は? え、英成くん、い、今更何を!?」

「わ、わかんねぇ! 俺わかんねえ! お前の体、隅から隅まで舐め尽くして堪能し尽くした……なのに……」

「そ、そんな……っ、はあ、はあ、い、今更あなたにショーツを見せることぐらい……」


 一方で、刹華自身も荒くなった息が止まらない。英成には体の隅から隅まで知られているというのに、スカートの裾をたくし上げるだけでドキドキが止まらない。

 二人にとっては、たかがショーツを見せる行為。

 しかし、それだけでこれほど両者の体は熱く滾って興奮している。

 ここから先はどうなってしまうのか?

 怖いが、ヤリたくてたまらない。

 英成が腹をすかせて、エサがもらえるのを待っている犬のように屈んでお座りする眼前で、刹華は短いスカートの裾をゆっくりと持ち上げて、本日二度目の純白ショーツお披露目をした。


「ッッ!? 刹華ぁああ! ぱ、パンツ丸見えぱぴぷぺぽぉ!」

「あ、ちょ、あ、英成くん、だ、ダメですぅ、す、ステイ、あ♥ ん、ひゃぅ♥」


 もはや英成も感想など言わない。


 もう二人は止まらない。


 全て尽き果てるまで――――






――あとがき――

そして、キングクリムゾン発動


こんな感じで、これからどんどんセーフで上品に仕上げていこうと思います。


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