ゆれ

そんな風になるものだと云った

変わりばえのしない夏の下

時折吹く流れを払い

過去を振り返り笑って

二度も過ちを犯したのに

まだ許されている気がする


コーヒーがひどく古くなって

どれほど砂糖を入れればいいのか

扇風機を組み立て間違えて

いつも首をかしげているように見える


あの香り 忘れたときから

この権利を 失っていたのなら

もう一度 握り直せるなら

幻想に 間違いないのだから


こんな風になってしまった

面影さえ知らないままに

あの写真の中にあった

木の葉ぐらいは覚えていたい

どうしてもっと強く想って

窓の外へ飛ばなかったのだろう

今更この胸の鳩 手放したとしても

すぐにこの手に戻ってきてしまう

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