サークル活動の裏話

いま、うちの合唱サークルで

『つぐない』(唄:テレサ・テン)を勉強しています。

その歌詞をめぐって、

会員と湯山先生の会話が秀逸だったので、

思い出せる限り、書いてみます。


『つぐない』は、男に未練を残しつつ

去って行く女の情念を歌っています。

その歌詞に、「西日のさす部屋」というのがあるので

会員のOさんが、

「安アパートに住んでるのね」

と感想を言うのでした。


「こんなイジイジした女は好みじゃない。

いつまで男の思い出に浸ってるんだ!」

Oさんは、言いたい放題です。


湯山先生も言います。

「私もこんな女は嫌いだけど

そういう歌じゃけーねー」

別れるならスパッと切り捨てりゃいいのに、と

文句を言うのでした。


Oさんは、「こんな歌、ついていけない」

とごねます。ネチネチ、イジイジした女は

自分の性格にあわないらしい。


「そこを勉強するのよ」

と湯山先生が言うと、

「もう私は80歳を過ぎてますからね……」

弱気発言のOさん。


湯山先生は、大きな声で笑いながら、

「実際に生かせというんじゃなくて、

想像してみるのよ。

私もカルメンを演じたときは、

その人の性格なんかを想像して

それに没頭して演じたの。


それで私=カルメンだと信じた男性から

言い寄られたこともあったけど、

汚らわしいって払いのけてやったわ!


でも、それだけ私のカルメンが説得力があった、てことだから

それはいいことだと思ったわね。


だから、なんでも想像を働かせるのがポイント。

どんなに相性が悪くても、

違う世界が見えてくることもあるんだから」


30年ちかくサークル活動していますが

思いもかけず、演技についての

苦労話を聞くことが出来て、

わたしはうれしく思いました。


自分の知らない世界があること。それを

垣間見ることが出来ること。

サークル活動って、そういう面があります。


毎回、そいう話があると

日記ネタになりやすいんだけど

あまり面白いエピソードがないんだよなあ。


老病生死の話題。シリアスすぎてつまらん。

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