第140話 起きてない?

 あれ……?


『ねえ、弟子君』


 遠くの方で……。


『起きてない?』


 師匠の声が……。


『本当に、起きてない?』


 聞こえる……。


『大丈夫……だよね?』


 何か……。


『バレない……よね?』


 言ってるけど……。


『じゃあ、いくよ』


 聞き取れない……。


『私……私……』


 どうして……?


『弟子君のこと……』


 ああ、そっか……。


『今までも、これからも』


 きっと、これは……。


『大好きだよ』


 夢……。


『……ん』


 何か……。


 唇に……。


 柔らかいものが……。


『……ぷは』


 ……?


『えへへ。しちゃった』


 …………


 …………


 あ、もう無理。


 眠くて、意識が……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る