第12話 ぴきひきびき もう2ぴき聞けないのかな・・・

先日の朝、息子が一人で起きてきてコッソリワタクシにささやいた。

『お母さん、今日ね、2ぴき出ちゃった』

ちょっぴりオネショをしてしまったらしい。


その失敗具合を、全く悪びれる事もなく

『1ぴき、2ぴき、3ぴき』

で教えてくれるようになった。


ちょっと前、息子が初めてのオネショに気付いた時は、ショックだったのか、何とも言えない切ない顔でたたずんでいたのがウソみたい。


『お母さん、小学生の頃もオネショしてたよ~。』

とワタクシの黒歴史バラすと安心したからだった。





合わせて気になったのが、単位。

『数によって単位の読み方を変えるのは結構複雑な事よね?どうやって教えよう』

と悩んでいたら、「NHKこどものうた」で、

『1ぴき~♪、2ひき~♪、3びき~♪』と歌う「ぴきひきびきの歌」を思い出した。


一緒に観て歌うタイミングは今なのだろうけど、言葉を直してしまうと、もうこれが聞けなくなるのよね・・・


濡れた服を着替えさせて、洗濯をして、布団を乾燥させては大変だけど、このセリフは何とも捨てがたい。


『ごめん!もうちょっとだけ楽しませて!2ぴきって可愛すぎる~』



しばらくたったある日の朝、ちょっと焦った様子で息子が起きてきた。

あ!もしかして!と期待しながら息子の言葉を待っていると、



『お母さん。パジャマ濡らしちゃった。一緒にネンネしていたプーさんは濡れないようによけておいたから大丈夫。布団奇麗にしておいてね~』


・・なんだこの冷静な対応は!

早くも、超レベルアップした息子がいた。


『2ぴき』

もう聞けないのかな・・・。


諦めて「ぴきひきびきの歌」を一緒に聴いた。

ー完ー

【M66→12】

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