アフターストーリー
ΑfterStory:#1「Ascend」
「う……ここは……」
「やぁ。目が覚めたようだね。ちゃんと記憶はあるかい?」
「記憶……大丈夫、全部ある。……僕が神になるってところもちゃんと……」
「あぁ、安心してくれ。神になるのは別に痛いとかそういうわけじゃ……ないから」
「その合間は何!? 怖いんだけど……」
「さすがに数百年世界を管理した中で一般人を神にするなんてしたことないからねぇ。大丈夫なのはわかってる。シミュレーションもばっちりさ」
シミュレーション……本当だろうか……さっきので既に怖いんだが……?
「怖がる必要はない。また再び目を覚ましたときには神の力を手にしている。眠りに就く前に、なにか質問はある?」
「えっと……まず、『僕はどれくらいの時間眠るのか』、『眠っている間の世界の時間の流れはどうなるのか』、『僕の状況はどうやって処理されるのか』。この三つかな」
指を折って数えながら言葉を紡ぐ。
「1つ目と2つ目は同時に答えよう。まず僕は神だ。アカシックレコードでありながらも多次元の存在かつ管理者だ。時空なんていくらでも変えられる。眠る時間としては一年くらいだけど、皆のいる世界、『基底世界』の時間は限りなくゼロに近い秒数しか経たないようにする。少なくとも人間が知覚できるような時間じゃない。どんな化け物だろうと無理だ。さすがに時を止めるのはダメだからね……理由はあるけど割愛するよ」
彼はそこで一拍置き、言葉を続ける。
「次に処理だけど……あとで教会に神託を下しておくさ。君は帝国皇帝と関わりがあったからね。スムーズに作業が終わると思うよ。……こんな感じでいいかな?」
そう僕に問いかける。
「あぁ、問題ないよ。で、神になるための儀式? みたいなのは今からするのか?」
「君がそれでいいなら」
なんだかすごく強い思いを感じた。
僕が何かわがままを言っても叶えてくれそうだ。
さすがにしないけど……。
「……その前に少しだけ基底世界を見させてくれないか? 意識だけの幽霊みたいな感じでも構わないから」
「なるほど、面白い提案だ。いいよ。その為の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます