第23話(序):極限戦闘

「行動開始!」


 まずは僕が一発魔法を放ち、僕に注意を引き付ける。

 その間に二人には接近してもらうつもりだ。


「一発いくぞ! 《{超越土}終焉奈落アビス・オブ・ジ・エンド》!」

 僕が魔法を放つと、邪神?の下の広範囲が深く陥没した。

 そして出来た大きめの穴に、邪神?は吸い込まれていく。


「うふふ! 甘いわ! こんな魔法じゃ私は止められない!」

 そう言って邪神?は即座に抵抗し始める。

 そして、あと少しで吸い込まれている状態から抜け出せるだろう状態

 まで来た時、

 一つ声が響いた。


「少し埋まってもらわないと困るのじゃ! お母様! 《{超越闇}暗黒隕石ダークネスメテオフォール》!」

 サクがギリギリのところで魔法を使い、紫に妖しく光る隕石が邪神?に衝突する。そして僕が作り出した大穴に押し込める事が出来た。


「よくやった! サク!」

 ねぎらいの言葉をかける。

「これくらいは出来るのじゃよ! ご主人さまっ!」

 そう言ってサクが自慢げに笑った。

「うっそだろ……少年少女なはずなのになんで既に俺と同等かそれ以上の魔法が使えるんだよ……自信無くしそうだぜ……」とか聞こえた気がするが多分気のせいだろう。


「うぬぅ……! 小癪な! とっととくたばりなさい!

{超越火}火炎インフェルノ――」

「《{超越時空}復元再演リバイバル・アクト》!」

 邪神?が魔法を唱えようとした瞬間、オリジックさんが魔法を使い、

 なぜだかサクの放った《{超越闇}暗黒隕石ダークネスメテオフォール》と同じような――少し小さくなったりしているが――魔法が邪神?の頭上から落下する。


「……!? ナイスですオリジックさん!」

「へへっ! 子どもなんかに負けられねぇんだよ! 俺も魔力使い果たす気で頑張るからな! 坊主たちも全力で頼むぜ?」

「勿論です!」

「いちいち小賢しいのよ! さっさと死ね! 死ね死ね死ねぇ!」

「駄弁ってる暇はないようだな。さ、もう一度気を引き締め直すぞ!」

「はい!」


(ノア。どうすればいい?)


〔はい。アカシックレコードには、現在交戦中の相手の情報がありませんでした。つまり、世界にとって完全に未知の相手ということです。が、今までの戦闘でデータが取れました。そこで一つ魔術を完成させることができましたが……〕


(が?)


〔未知の相手ですので、使う魔法ももちろん未知。実験やシミュレーションが十分にできてない状態です。使うとマスターになにがあるかわかりません。それでも宜しいですか?〕


(う~ん……少し待ってくれ。その間にシミュレーションをして、データを集めてくれ)


〔了解です。マスター〕


「よし! いくぞ! 《{超越風}疾風暴走ルインストーム》! そして《{超越火}殲滅獄炎デストロイインフェルノ》! 《{超越光}滅光霏々エンドレスペリッシュ・オブ・ライト》!!!」

 僕の使える中で最上級の魔法をどんどん使っていく。

 すると目の前に広がるのは巨大な炎の竜巻、そして数多の光線。

 すべてが邪神?に攻撃を加えていく。

 炎で焼かれ、呪いの風に蝕まれ、煌めく光線が幾度も身体を貫いて く。

 そんな状態なはずなのに、邪神?はいかにも余裕そうな雰囲気を醸し出している。顔が醜くよくわからないが、薄ら笑いを浮かべているような気もする。


「くっ……! 面倒な事をしおって! ふん!」

 威勢よく声を上げ、邪神?が腕を思いっきり振る。

 すると邪神?を攻撃していた魔法すべてがかき消されてしまった。


「なっ……! 魔法をそんな簡単に!?

{超越次元}多次元拘束マルチディメンショナルバインド》!」

 僕は咄嗟に相手を次元ごと拘束する魔法を使った。


「たかがそれだけじゃあ私は止められない!

{超越光}未来希望フューチャー・オブ・フリーダム》!」

「《{超越闇}死没恐怖フィアー・オブ・デス》!」

「くっ!」

 拘束に対抗する魔法を使われたので、こちらもその魔法への対抗魔法を使って妨害する。

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