第17話:邪龍と帰還

 その時声が聞こえた。

『う、うぅ……我は一体なにをしておったのじゃ……』

 まさかののじゃロリボイスだった。

 でもこれはなんだ?

 多分念話というやつだろう。

 使ったこと無いのでスキルを追加する。

《Add{スキル:念話→対象:ソラ自分}》


 さて。

『聞こえるか?』

『この声は……何者じゃ?』

『お前の前にいる黒髪の少年さ』

『き、貴様かぁ! 我をこんなボロボロにしたのは!』

『まあまあ。助かったんだからいいでしょ』(本当は殺す気だったんだけど)

『ぐっ……そうだが……しかしなんで我はこんなことになっておるのじゃ?』

『それはお前の封印が解けて狂乱状態になってたからだ』

『な!くそ……我にあるまじき失態……それで?なぜ我と話しておる?』

『そりゃあ、俺の従魔になってもらうためさ』(ちょうどいいと思ったからな。なにせ戦力にもなる)

『ぐぬぬ……ふん!我に従属の魔法がかけられたらいいぞ?でも無理だろうな!なにせ我は邪龍!闇の龍なのじゃから!』

『いいだろう。やってやろう。(こいつさっきまで封印されてたの覚えてねぇのかよ)』

《{スキル:無限の力}一時的開放》

{超越闇}抵抗無効化フォースドディスレジスト

《従魔化》

《{スキル:無限の力}一時的開放、終了》

 従魔化は無属性で、魔力を使うだけの魔法。(属性変換しない)


『うううう!!!…………はっ!そうか。我はこんな少年に負けたのか……』

『いや俺が強すぎるだけだと思うよ?』

『はぁ……これからよろしく頼むぞ、ご主人』

『ところでさ。後ろに人がいるからこう、人化とかできないか?』

『人に興味なかったので使えぬよ』

『ほ~ん、そう? じゃあ』

《Add{スキル:完璧人化→対象:邪龍サクヴィリュート}》

『これで使えるだろ?』

『おお! 本当じゃ! 使えるぞ!……しかし今ご主人は何をした

 のじゃ?』

『いいから人化してくれよ……』

『わかったのじゃ(話し逸したのじゃ……)』

 すると邪龍が光り、収縮していく。

 すると現れたのは身長150cmくらいの、

 紫の髪色の和服ロリ。

『よろしくな。サク』

『サク? ……もしかしてサクヴィリュートの略かの?』

『ふふ、いいだろ? じゃあもうそろそろ会話しようか』

『じゃの』


「ごほん。と、言うことで、大丈夫でしたか? 近衛隊長殿」


「あ、ああ。大丈夫だ。そういえば自己紹介をしていなかったな」

 話しは遮られる。


「何を混乱しておるガロング。これは失礼。ソラ殿、といったか?

 私は帝国第二皇子、エーシス・ピース・ユニティである。

 この度は誠に感謝する。帝都に帰ったら褒美を約束しよう」

 そう言ってエーシスは頭を下げる。

「エ、エーシス殿下!?」

 ガロングは慌てる。

「なにを慌てるのだガロングよ。命の恩人に頭を下げんでおるやつがいるか?」


「し、失礼致しました……」


「のぉ、ところで我はどうすればよいのかの?」


「な、この子供はなんだ!」


「子供言うな! 我は邪龍サクヴィリュートじゃ!」


「こ、この子供が!? ソラ殿の魔法なのですか?」


「ええ。私は彼女を従魔にしようと思います。暴れないよう躾はしますし私がいればいくらでも対処可能ですから」


「ソ、ソラ殿が仰るならば構いませんが……」


 これで黒衣の(今の服装はキ○トくんみたいな感じ)魔導師が現れ邪龍を退治したなんで噂が流れてくれれば俺が強いのだと印象づけることができる!やったぜ。


「そ、それでは私ら共は村人と共に帝都へ帰りますので」


「あ、待ってくださいますか?」


「なにかあるんですか?」


「私、魔導師でございまして。転移魔法が使えます。

 よろしければ帝都の前まで送っていきましょうか?」


「それはありがたい話ですが……難しいのではありませんか?

 この集団を一気に転送など……一人ずつでも魔力が持たないのでは

 ないですか?」


「いえ。安心してください。大丈夫です。ここに全員集めてください」


 少しして集まった。


「よし」

{超越次元}多元転移マルチディメンショナルテレポーテーション》!


 辺り一帯が光で包まれ、視界が光で染まった。



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