グルチャ
しろた 月乃
つまらない毎日
第1話
どうしてこんなことになってしまったんだろう・・・。
たかがネットの世界、されどネットの世界。
たかが恋愛、されど恋愛。
今からお話することは実際に私が体験した出来事です。
あの日から私の毎日は輝きだした。
仕事へと向かう朝の道路も、窮屈な満員電車の中も、私物を入れておく職場のところどころにサビが見えるロッカーでさえも、キラキラと眩しくすら感じることがある。
一週間前までとは大違いだ。
代わり映えのない毎日を過ごすうちに気づけば三十代半ばになっていた自分に私は飽き飽きしていた。
「はぁ」
この頃は自分から吐き出されるこのため息も聞き飽きていた。
朝起きてはため息、職場に着いてはため息、仕事の合間にも、仕事が終わってからも、眠りにつく前も。
一体いつまでこんなくだらない、つまらない毎日を過ごせばいいのだろう。
「おはようございます」
見慣れた職場で次々に朝の挨拶が交わされる。
「理絵さぁん、おはよう」
毎朝のルーティン通り社内の規定に乗っ取り、私物をロッカーに入れ、オフィスに持って入る物だけを会社から支給された透明のバッグにせっせと詰め込んでいる時に、その作られたような甘ったるい声が聞こえてきた。
「真由、おはよう」
私も彼女と同じようなテンションで挨拶を返す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます