クリステラに妙案有り。ですの!
(ここからが問題ですの。今の内に手を打っておかないとまた詰みますの。)
そう、結婚が回避出来たとしても、未だに破滅フラグは回避出来ていないのである。
何故なら邪神の狙いは彼女ではなく彼女から搾り取れる力なのだから。
だからこそ、クリステラは考えた。
(家の力を削いでそもそも家を狙うメリットを無くしたら奴の毒牙からは逃れられますの。ですが、そもそもウチが立ち行かなくなったら本末転倒ですの。
かと言って、圧倒的な力を付けて迎撃蹂躙……も難しいですの。
あの邪神、人心無い外道のクセに、矢鱈人心掌握術に長けてやがりますの。下手に関わる人間を多くしたり、力を大きくすれば外道殺法の餌食ですの。
なら何もしない……これが一番ヤベェ結果に成りかねませんの。)
未来、つまりは本来のクリステラ=アマリリスの辿る筈だった未来では、ワルムスがアマリリスになってからアマリリス家の市井からの評判は徐々に悪化、資産の数々が知らぬ間に売却、別名義となっており、最終的にはクリステラが幾つもの汚職や非道を行った証拠が挙がり、それまでの不満がクリステラ一人に向いたのだ。
無論、邪神は被害者としての演出をバッチリ行い、毒婦に囚われた悲劇の主人公として市井の同情を買い占めていた。
力を削いだら一口で喰われる。
力を増したら内側から喰い破られる。
力をそのままにしても狙うだけの旨味がある。
状況が良いとは考えなかった。
(現状、我が家に有る資産は、お父様が空いていた土地に招いた外国の農業家達の大規模農場。何故か人々が集まって作り出したこの国一番の規模を誇る花街。
そもそも、どれもこれも簡単には所有放棄やらなにやらは出来ませんの。
最後のに関しては端から売り買い出来るものでは……)
頭の中に幾つも浮かび上がる既出情報、邪神の狙い、そして自分が実際に体感した『未来の光景』、それらはぶつかり混ざり、最後に1つに合わさって、閃いた。
「そうですの!この方法ならば損失は少なく……いいえ、
晴れやかな顔でスキップまでし始めた。
向かう先は現アマリリス家当主、スターク=アマリリスの元。
彼女の父親の所へと歩を進めた。
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