350 ヒヤシンス
こんにちは。
窓辺にずっとほったらかしのヒヤシンスがあるのです。今年の春先に咲いたやつです。それからずっとほったらかし。
なんか、片づけられなくて。開花した時期に最愛のインコが一羽亡くなってしまって、なんだか手が付けられなくなってしまったんです。もちろん、そのインコのケージも手つかずのまま、同じ場所に置いてある。片づけないといけないという事は、分かっているんですよ。それでも動けない。
ヒヤシンスはそのまま窓辺で枯れて、暑い夏を過ごし、球根も土もガビガビに乾燥して干からびて。視界に入るとそれなりに、何とかしないといけないなと、ずしりと心が重くなる。
先日、いつもはまじまじと見ないヒヤシンスの球根を不意に見たのです。どうして避けて来たヒヤシンスを見たのか分からないけれど、とにかく無意識に球根を上から覗きました。
すると、球根からみずみずしい芽が少しだけ顔を出していたのです。しかも三つとも全部。もう絶対に水分ゼロの干物になっていると思っていたのに。水分も無ければ栄養もないし、土なんて根っこを伸ばそうにもセメントのように硬いはずなのに。
慌ててヒヤシンスの育て方をネットで検索をして、とりあえず肥料を買ってきて、一度目の水を与えました。
どうやったらあんなに一年中陽に当たっているような場所で、室内だから雨も降らないのに水を蓄えていられたんだろう。ヒヤシンスの芽は鮮やかなみずみずしい緑色で、生きている色というか、まさに命の色でした。がっさがさの表面とは大違い。夏は灼熱の窓辺。それでも生きたていた。……自然の生命力とはすごいものです。
もともとあまり水を好まない植物だったから助かったのかもしれないですが、それでも夏の温度上昇を耐え抜いている。本当に凄い事です。
私が球根を覗き込んだ時、呼ばれたのかもしれないですね。起きたから責任とれって。
一年中ほったらかしだったから、本当に花が咲くのか、咲いても花付が悪いかもしれませんが、とりあえず生きたいと言うのだから、なんとか枯れないように、腐らせないように育てようと思います。
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