256 もっといい方法
こんにちは。
洋服を作り始めて、結構経ちます。中一くらいだろうか。(洋裁は保育園の頃から)
あの頃から自分で作った物を着ていたり。今思えば、よく着ていたなぁと思うけれど、それは今も一緒か……。
小学生の頃、ミシン屋さんのワークショップでバッグなど布小物を作る基本は教えてもらったのだけれど、それから高校三年生だったかな?(たぶん編み物→和裁→洋裁と一年ずつやったはずなので)三年生で授業で習うまではずっと独学でした。
私は偏屈なので、本に書いてある作り方に基本的に疑いを持っていて、もっといい方法があるかもしれないと、色んな事をしたなぁと、時々思い出します。
例えば、ダーツ。ダーツとは洋服を立体に仕立てる為に布の端を三角形に折りたたんで縫う方法。
このダーツは特殊な糸の処理をするのです。ミシンだと縫い終わりは返し縫が基本ですが、ダーツは長く糸を残して結びます。折りたたんだ部分の生地もそこだけ分厚くなってしまうけれど、そのままで切ったりしない。
私は思い付く限りの「もっといい方法」を探して色々失敗しました(笑)
ダーツを二重に縫ってみたり(着心地が悪くなる)、最後を返し縫にしてみたり(場所によって強さが違うから生地がよれる)、ダーツ部分を切り開いてみたり(単純に弱くなるし何となく糸との隙間から中が見えそうになる)。もちろんどれも全部ダメダメでした。長年受け継がれたやり方には、正しい意味があるのですね。英知の結晶。
袖山を盛り上がらせる為やギャザーを作る時の
どのように縫ったら一番自然なギャザーになるのか色んなパターンを試したり、仕上がった後にぐし縫いをした糸を解いてみたり。ぐし縫いした糸はそのままにするのが基本です。だから案の定、仕上がりのギャザーは簡単に崩れました。ぐし縫いのバターンも、基本は二本取りの糸を仕上がり線の2ミリ外側を細かく波縫いしていき、それを平行にもう一本、計二筋のぐし縫いで1セット。縫い目は、同じように糸が出たり入ったりするように縫います。糸目が美しく並んでいるほど良いのです。が、それを交差させたり、糸を2本取りではなく1本取り、又は2線ではなく1線だけでやったり、縫い目をランダムにしたり、2線の縫い目を互い違いにずらしたり。ランダムにしたら自然なギャザーが簡単にできるかも?とか、交差させたら生地が動きにくくなって後で縫いやすいかも?とか色々考えたのですが、もちろん全部ダメ。ギャザーが斜めに流れたり、いびつになったり美しいギャザーは出来ませんでした。糸一本に至っては、ギャザーを作ろうと引っ張っただけで切れる始末。
他にも色々ありましたよ。パターンを作る時にダーツ部分を切った方が良いのではないか?とか、袖を縫う時は布を、下に身頃生地・上に袖生地に置いてミシンをかけるのですが、逆でやってみたり……パイピングの処理も袖口の処理も裾の処理も。本当に自ら進んで失敗ばかりしてきたのです。ヤバいですよね……
今でも、まだやったことが無い事に直面した時は、調べたら簡単に解決策が出てくると思うのですが、自分で模索して失敗してしまう。
こういう所が、自分で自分が厄介だなぁと思う所。
受け継がれているスタンダードなやり方には意味があって、実用的にも見た目的にも理に適っているのだと、やってみて分かるのです。結局、私はそれが知りたいのかもしれません。実感したいと言うか。
某マルチタレントミュージシャンがアンティークのキーボードが高いけれど買ってしまうのは、使ってみると「現代のキーボードについている機能の意味が分かるのが楽しいのもある」と言っていて、それわかるわぁ~と思いながら聞いていた。
一見無駄に思える事や機能も、成り立ちの流れの中では存在していて当たり前、みたいな。
あぁ、研究した中で、コーデュロイに待ち針を打つときの方法だけ役に立っているなぁ。まぁ他にも細かいのはあるけど、これは飛びぬけて革新的だった。待ち針の従来の打ち方を破って、針が交互になるように打つと生地が振動でずれない。これも調べたら出てくるかもしれないけれど。コーデュロイや別珍のような生地は、猫じゃらしも手で揉んだ時みたいに逃げてしまい、仕上がり線がずれるので仕付け糸で仮縫いをするのが基本だったのですが、それをそなくても大丈夫なって楽になりました。
こういう発見もあるんですよねぇ。
まぁ「やってみないと納得しない」
これが私の基本のようですね。だから失敗ばっかりなのですが。もっと上手に生きたいです。
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