227 お盆
こんにちは。
お盆を一日で駆け抜けてきました。
毎年恒例だけれど、これもいつまでできるんだろうなぁ。市内二軒のお寺と遠方一軒のお墓参りです。
昨日まで本州は台風の影響で、まばらに雨雲が発生していて、どんよりしたり、晴れているのに雨が降ったり、湿気も高くて最悪のコンディションだったのが、今日は打って変わって湿度の低いカラッとした陽気でした。
なのに一軒目の妹のお墓では、墓守さんの所でバケツにお水を貰っていると急に暗くなって、一瞬にして漫画のようなザーザー降り。私たち家族は屋根のある所にいたから良かったけれど、お墓の方からは悲鳴を上げながら走って雨から逃れてくる人が続出。雨音で蝉しぐれが消えて、勢いある雨の水しぶきが跳ね返って足下を濡らす。走ってテントに逃げ込んだ人たちが、あははと笑い出す。
あー、日本の夏だなぁ~と思う時間でした。
しばらくすると止むことが分かっていたので、少し待って小雨になって妹の所へ行くと、もう雨で洗われたお墓が(笑)
先月も母親とやって来て掃除をしていたので、まだそんなに汚れてもいないので水を取り替えて、お線香をあげて。そうこうしている間に、また晴れ出してきました。
夏の山の天気は目まぐるしいものです。そんなに高い山では無いんですけどね。下へ降りると雨が降った形跡が無かったので、山の上のお墓周辺だけ降ったようでした。
そして母方の祖父母のお墓へ。
こちらは、母の兄が世話役の一人でもあるので繋がりが濃いということもあり、お寺から親戚内部でも知らない話が筒抜け状態で。現在、そのおじさんの体調が悪いそうで入院しているのだけれど、それをまだ親戚には内緒にしているらしくて。そんな重大な事をお寺経由で知らされる。「心が決まったら話そうと思っているそうだから、まだ知らない事にしておいてね」と。
お寺はおじさんのお宅へお経をあげに行ったりしているので、知ることになった内情だけれど、それをどちらにも角が立たないように潤滑に情報が行き渡ってスムーズに事が運ぶようにするというのは「知られたくない事は知っているけれど知らない事と同じ」という障子やふすまやすだれの文化である日本らしいコミュニティーだなぁと。改めて実感します。「知った自分の気持ち」よりも「知られる側の気持ちや立場」を優先してあげる民族なんですよね、日本人って。
聞いた側がばらしても、言ったことを怒っても成立しない。どちらもが「言っていない・聞いていない」前提に出来ることが分かっているから、お互いに思い合っている事が分かっているから成立する文化です。
こんな一コマを、お寺の少しひんやりした土間の上で、蝉の声を背景に聞く夏の風物詩。
そこから母親が作ってくれたおにぎりを食べながら、父方の祖父母のお墓へ。これがけっこう遠方なのです。おにぎりの具材が、最終的に何が入っているのかロシアンルーレット状態になって、別に何が当たっても問題はないのだけど、「鮭だった」「梅だ」「たらこ」と言いながら食べるのはこれも、次があるのか分からない思い出だなぁと。
移動中はずっと天気が良くて。日差しが強いのでクーラーの効きが分かるくなるくらい。それでも、ふと空に目をやると、不思議に秋の空をしていて。
高い空に鱗雲。
車窓の山はまだ青々としているのに、田んぼの稲穂は少し重たそうにしていて。特産の黒豆の葉っぱも少し干からびていました。
そういえば市内で咲いている花といえばサルスベリばかりでしたが、田舎まで来ると秋桜も見かけて。全く実感はないのに、秋はそこまで来ているのかもしれないです。
辺鄙な山上のお墓にお参りをして、本当は父の実家に少しお邪魔をするのが恒例ですが、今年は私たち家族がコロナ監禁から明けているとはいえ、出来るだけ接触しないようにお供えだけを渡してそそくさと帰宅しました。とんぼ返り。
一度帰宅したものの、せっかく家族で出かける日なのだからと、昨日からお肉を食べる予約を入れてまして。時間になってから出直して食べてきました。
昔は田舎の祖母のお家でバーベキューしたり焼肉したりしたんですけどね(お盆なのに・笑)。でもまぁコロナや親せきが欠けたりで出来なくなってしまった行事ですが、代替えにはなったのかな?と。
これも一つのお盆の過ごし方です。
帰宅して疲れ果ててインコを手に乗せながら(お留守番してくれていたので最上級に甘やかしています)うつうつとテレビを見ていたのですが、幽霊を科学的に検証する番組がやっていまして。
前から不思議なんですけど、日本の幽霊と外国の幽霊って性質が違うのなんなんでしょうねぇ。日本の幽霊って、あんまり物を動かしたり、ましてや投げたり壊したりしないですよね。日本の幽霊は物理攻撃より心理攻撃。その違いが民族の違い(幽霊だけでなく認識する側も込みで)なのか……でも違いがある時点で、存在自体の信ぴょう性が欠けると言うか。
というか、私はオバケがいるなら会いたい!もしオバケに会えたら、どうやったら祖母や友達やインコ、歴史上の人物に会えるかしつこく聞いてしまうと思うので、こういう邪魔くさい人の前には出て来てくれないものなんでしょうね。
と言う私は、そういう存在はいると思っています。でもそういう理由で私は会えないと思っています。
少し夏らしい事をした一日でした。
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