197 祭りの日

 こんにちは。


 久しぶりのお祭りの一日を堪能してきました。

 ずっと「」が続いてきた日本。はれの日がこんなに心に染みるとは思いませんでした。行ってきたのは祇園祭です。


 友達が関東からやって来たので、朝、私はまず彼女に荷物を三条駅のロッカーに預けるようにお願いをしていました。お祭りがあるのは四条通なので四条河原町や四条烏丸の駅だとJRで移動してくる友達からすると便利なのですが、三条という場所はとても移動しにくい場所。ですが帰りの事を考えると必須なのです。


 友達はそのミッションを無事にクリアして、私と伏見稲荷大社で待ち合わせ。

 今日は三連休の初日だったり、祇園祭の宵山に来るついでに、という観光客や参拝者が多いのか、それとも最近はこんな調子なのかはわからないのですが、それなりに人は多いけれどコロナ前ほどではなく。

 もうコロナ前から会っていなかった友達なので、熱心に話をしながら境内をまわり、観光したのか話しながらただの散歩をしたのか分からないような状態で。友達との観光あるあるですね。お参りはちゃんと要所要所でやって来ましたよ。


 そこで私がおみくじを引いたのですが大吉でした!ここは「大大吉」という大吉の上があるものの、どんなに良いおみくじを引いたとしても、書いてある内容で叱られたり厳しい言葉と注意や赦しが書かれている事けっこありして、何が書かれているかが重要なおみくじでして。

 私が引いた番号の大吉は泣きたくなるほど、励ましといい言葉が書いてあり……もうね、泣きそうになります。

 いつもはピンポイントに心辺りがある内容で叱られるおみくじでして。でも精神的に本当に凹んでいる時は「ほら、これで元気出して」と言われているような優しい言葉のおみくじを引くんです。なので、どんなおみくじも受け入れる為に凶であろうと持って帰って来ます。ちょっとオカルト的で怖いでしょ?(汗)でも心に響くという事は、こじ付けだったとしても、そういう部分が自分でも分かっているから響くのです。だから甘んじて良い事もお叱りの言葉も持って帰る。

 今日はもちろん頂いて帰りました。


 昔からおみくじだけではなく不思議なことが起こっていて、音信不通の友達から連絡があますように、とお願いをした帰り、まさに神社駐車場に停めていた車に手をかけた時に、その友達から連絡があったり。今日も一緒に行った友達が、務めている会社の業績が上がりますように、とお願いをしたら神社内にいる間にエリアマネージャー以下の社員には一万の手当てがプラスされるようになると通知があったそうで……

 この物価上昇のご時世なので、ありえる話ですが、タイミングが良すぎて背筋がひんやりですよね(笑)


 そしてランチに市民の隠れたソウルフードの一つ、冨美屋鍋を食べに某市場へ。11時開店という事で、到着したのは11時半を少し回ってしまっていたのですが、ギリギリ昼前と言いう事で行列も思っていたよりは少なくて済みました。いやー、暑いのに鍋焼きうどんを食べるという(笑)でもそれが美味しいんですよ。お出汁がすごくおいしい。詳しく食レポはしないですが……隠れたご当地名物なので、いらっしゃったときはどうぞ。即日帰宅される方はデパ地下やスーパーでパックの鍋焼き一人前セットが売ってるのでそれをどうぞ。本当はそれが市民の一般的な食べ方です。


 鍋焼きうどんも食べ、胃の中をホッカホカにして次に向かったのは、廃校になった小学校をリノベーションしたホテル。

 友達が好きなアニメの聖地らしくて、お供したのですが……今日は恵まれたことに暑すぎない。汗もそんなにかくことなく、ホテルの外や解放されているお庭で一時間ほど過ごしました。

 この時期の野外で、平然と過ごせるなんてなかなか稀な環境です。明るいけれど曇ってもいたので、直射日光を避けることが出来ましたし。


 実は今日は大嵐の予報だったのです。予報図には傘マークだけではなく雷マークまでついている始末。

 きっと京都市中の人が雨が降らないよう祈ったでしょうね(笑)なんたって今日は三年ぶりで開催できる祇園祭の宵山ですからね。クライマックスはもちろん翌日17日の山鉾巡行ですが、夜に響くお囃子の風情は巡行に負けずと劣らない、欠かす事の出来ない時間なのです。

 今朝になっても嵐の予報は覆らず。しかし私は知っていたのです。今日はきっと雨は降らないと……。それでももし……と思うと傘を持参しないことは出来ず。私が傘を持ってお出かけをした日は雨が降らないジンクス……。傘を持って出かけましたよ。日傘じゃなくて雨傘です。

 

 予報では大雨(寒)。でも晴れる気がする(暑)。その矛盾。でもどちらであっても外で祭りまでの間長時間を過ごすのは辛いな、と思ったのです。しかしコロナ前頃、祇園祭の日は周辺のカフェも喫茶店もファミレスも何もかもが、品目数を絞った特別メニュー&特別価格(高い)の上に長蛇の列で入れない。現在は外国からの観光客も少ないので予測が難しかったものの、一応保険として二日前に、居場所が無かった時の為にカラオケを予約しておいたのです。

 もしキャンセルしたとしても、平日でも夕方は待ち時間が出来る立地のカラオケなので、迷惑はかけないだろうと。

 予感は的中。丁度予約していた時間から二時間ほど時間を持て余したので、カラオケに行くと待ち時間が発生していました。

 無事にカラオケでもう一人の友達と合流して三人で歌も歌わず、フリードリンクを飲みながらお話をして過ごしました。


 すこし体力回復。


 そして本日本命のイベント、祇園祭宵山へ。

 予測通りというべきなのか、混んでいるけれどコロナ直前のインバウンドが膨れ上がっていた頃に比べるとかなりマシで、私が子供の頃を思い出すくらいの人出でした。ひどかった時期は、どこまで行っても押し寿司状態で、屋台で止まる事も出来ず、流れに沿って動く事しか出来ない様な。年々ひどくなっていましたからね。2019年のお祭りは行っていないですが、どれだけの混雑だったのだろうと考えるだけで青くなります。

 有り難い事に暑さもマシで。人混みの熱気で汗は背中を伝いますが、普段ならこんなものではないのです。焼かれたアスファルトからの蓄熱と人々の尋常ならざる熱気と密度で、そこに居るだけで倒れそうになるくらい。

 今日は昼間にアスファルトは焼かれなかったし、しかも私たちがアーケードを移動している間に少し晴れながら雨が降ったようで。夕方までには水分は蒸発しきって気化熱で地面の温度は下がっていたようです。なんて好都合!


 全ての山鉾やまほこは回れなかったですが、有名なところはとりあえず回って、タペストリーや鉾と山の違いや、色んなことを友達に解説しながら。子供のころからきてますからね……ある程度は知識は身につしている物です。

 コロナの世の中になり、混雑を避けるために見学が何かしらの購入者限定になったり、そもそもの見学が中止になっていたり、からくり人形の実演が無くなっているなど違いは出来ていましたが概ね、今まで通りのお祭り。


 お祭りを楽しむ人々の声や、ほこから聞こえてくるお囃子の音。背の高い鉾から垂れ下がった、演奏されるバチに付けられた紐やフサが音と共に跳ね揺れる動き。陽が落ちてから時折吹く涼しい風。広い道路を歩行者天国で歩き、提灯の明かりを眺める時間。歩き疲れた足も、なんだかすべてが愛おしい時間でした。

 贅沢な京都の夏です。


 はぐれそうなった時に、目印になりやすいように赤いワンピースを着て行っていたので、はぐれることも無く、ご飯を食べて、コインロッカーまで歩き、彼女は大阪にホテルを取っていたので、そのまま電車で京都を離れました。まぁ、三条から乗ってもちろん正解。お祭り帰りの人々が利用する駅が四条なので、そこからは座る事も出来ずだったので、快適に帰宅。良かった良かった。


 

 帰り道、友達とも別れ、最寄り駅をから一人歩いていると、ずっと後ろを人ではない足音のような地面と足が擦れるような音が付いてくるのです。もしかしたから狐さんが一度家までついて行ってやろうか、と私の生活を覗きに来てくれているのかもしれませんね。なんか不思議に、自然とそう思ったのでそう言う事にしておきます(笑)

 今日は他にも不思議にことがあったので。

 

 とにかく今はもう眠い。ちょっとした不思議はまた今度。

 

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