73 無題

 今日の文章はちょっと「国」が好きか嫌いか、みたいな話を書いているので、苦手な人や心がざわざわしそうな方は読まない方が良いです。

 どこかの国を集中的に攻撃している訳ではありませんが。



  ***



 こんにちは。


 昨晩、SNSでみた文章。ロシアに行った際に地元の人にお酒を売りつけられて、なぜか酒盛りになっていい思い出になっているという……要約するとそういう内容だった。


 それが現実だと思う。

 どこの国だって、人と人同士、顔を突き合わせて交流するといい人が多い。

 私はそんなに国際的な人間ではないから繋がりがある訳ではないけれど、数少ない交流の中でもそう思っているし、実際日本人だっていい人もいれば悪い人もいる。ただそれだけなのだろう。


 もう昔だけど、お芝居をしていた時、朝鮮の方と一緒にしていた時期がある。

 一度だけ雑談の折り、団の代表が「国の事をどう思っているのか?」と質問をした事がある。とても複雑な表情で答えにくそうにしているなぁと思ったのを思い出す。

 彼女と国とは同一ではないから。

 彼女はとても出来た人で、一緒にいて居心地がいい人だったし、国際情勢や自分の国の事、家族の事、家族が望む自分の将来の事などを真面目に考えて、しかも客観的に考えられる人だった。

 あぁいう質問は、いくら気をつかった聞き方をしたとしてもするべきでは無いと思う。もともとそれを話し合う場ならいいけれど。


 また、友達が香港の男性と付き合っていた。

 私は彼には会ったことは無いのだけれど、彼女から聞く彼の印象は「優柔不断で頼りない所があるけれど、優しい人」という印象だった。

 彼のお兄さんが結婚する時に里帰りするから、遊びにおいでと言われて彼の家に行ったら、自分が結婚する当事者なのかな?と冷や冷やするくらいの対応だったとか。文化の違いが分からないから、このまま済崩し的に結婚させられるのか、ただの息子の友達がやって来た歓迎なのか分からなくて怖くなったと言っていたけれど、とどのつまり、きっと良いご家族なんだろう。

 彼女はもうこの世にいないけれど、香港の事では心を痛めていたし、私も色々と話を聞いた。

 その頃はもう彼とも別れていたけれど、現地の人の思いや起こっている事を拡散するしか出来ないと心を痛めていた。彼女に切々と話を聞いたから、その問題に対しては熱を持って動向を見ているつもり。


 またフィンランド人は何人か交流があるけれど、だからこそ、どこの国も一緒なんだなぁと思う。お酒を飲んだからメンドクサイおっさんになるし、飲んでなかったら優しいおじさま。そういう所も世界共通なんだな、と思う。



 また別の話。新型コロナが猛威を振るい始めた頃、中国人の観光客を受け入れ続けているという報道の中で、アジア系の観光客が一個のアイスクリームを家族で分け合って食べているのに批判していた。

 コロナがうつるかもしれないのに、どうしてそんな事をしているのかと。

 コロナの感染の仕組みが浸透していなかった頃だったから、同じものをスプーンなどを共有して食べるという事について嫌悪感があったのは仕方がない事かもしれないけれど、旅行先でその土地の色んなものを食べたいのは当たり前だし、胃は一個しかないし仕方ないよなぁ~と思っていた。

 誰がコメンテーターだったかは忘れたけれど、ちょっとね~と眉をひそめたその人に、専門家が「ウイルスは胃酸で死滅するので大丈夫だと思いますよ」と言ったのは、ちょっと心がスッとしたのを覚えている。




 はっきり言うけれど、好きになれない国はある。

 国として動くと大きな利害があるから、考え方や感じ方の違いが大きく反映される。


 日本だってきっと、いつも消極的で何もしないし発言もしないのに、食べ物|(マグロ・クジラ・うなぎなど)が絡むととやかく言ってくるし鬱陶しいな、とか薄利なのに商品の完璧を求めすぎてメンドクサイな、とか軍事的な事で全然協力しないのに、やいやい言い過ぎだよな、とか思われているだろう。

 それを国民一人一人に落とし込んだとき、ある部分では当てはまる事もあるだろうけれど、国の性格=国民の性格ではない。


   

 だから個人と文化は、国の好き嫌いとは別だと思っている。

 ロシア料理も食べるし、中華料理も好き、キムチだって好き。ピザやスパゲッティも食べるしカレーもパンも紅茶もソーセージもフォーも。

 映画やドラマやアニメや音楽だって、建築や絵画だって優れた文化は、共有したらいいと思っている。


 中には国土が狭いから内需よりも、外に文化を輸出する事に長けている国もある。それもいいと思う。苦労しないと受け入れてもらえない中で揉まれて頑張っているんだろうし、才能だけじゃなくすごく努力をしているんだろうなと尊敬もする。


 それと国が好きかどうかは、私にとって別なのだ。

 ずっと宗教の問題や聖地で揉めていたり、民族浄化だと表向きはそう言わず遂行していたり、被害を受けたくなかったら自国の砂漠緑化にお金を出せと脅してきたり、世論を動かすために他国を悪者にしたり、固い殻の中で核をチラつかせながら独りよがりな政策をしていたり、軍事侵攻で無理やり奪った土地を自分の国にしてしまったり。

 好きにはなれない。


 でもその土地は旅してみたいし、チャンスがあるならその国の人と友達になりたいと思う。

 住むのは別だけど。住みたくはない。やっぱり住むと国と付き合う事も出てくる。現代の日本で生まれ育ったので、特に社会主義の国は住むと戸惑うだろう。でもそれはタイムスリップして昔の日本に行ったとしても、感じるストレスに大差はないと思う。家庭での女性の扱いとかいろんな面で。

 

 また国であろうと個人であろうと親日だと言われたら、少なからず好意の下駄を履かせてしまうのも仕方がないと思う。

 逆に国であろうと個人であろうと嫌いだと言われたら、心の距離は離れる。これも感情を処理するのは人間なのだから仕方がない。

 

 先日の(多分)雑誌が売られていなかった話などを捕えて、考えが合わないと言われた。


 あの話は、もしそれが日本のアイドルだったとしても、色んな需要に合わせて品ぞろえしないと悪循環だと思ったし、国内の企業にお金を落とせるなら、出来るだけ外資の会社ではなく国内に、と思っている。

 日本人がエクアドルでバナナを作っているというなら、選択できるならそっちを買ってあげようと思うのと、私にとっては同じことだった。

 でも好き嫌いは考えるよりも早く決着がつくから仕方がない。


 変わる事のないストレス元からは離れるしか解決なしいし、仕方がないもんなぁと思っている。

 そういう理由で私から、もう何も言う事は無いけれど。


 傷つけるのも傷つけられるのも悲しい。相反する複雑な感情が入り混じっている事を語るのは難しい事ですね。


 

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