116――サンライズ

 いつものバー、いつもの席、彼と私。よく目を合わせていたけど、話しかけたのは今夜が初めて。


「綺麗なオレンジ色ね」

「テキーラ・サンライズ、だよ」

「お酒、好きなの?」

「飲まないと寝れないのさ」

「寝酒は体に悪いわ」

「君がそばにいてくれたら、寝酒はやめられるよ」


 恋の日の出が私たちを包んだ。

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