ツイっと一杯。2

壬生乃サル

101――ツーリング

 ふたつの輪っかが転がっていた。

 大きな輪っかと小さな輪っか。それは、交わるはずのない輪っかだった。

 ところがふたつの輪っかは相性が良かった。大きさに反し、転がる速度が同じだったのだ。

「どこまで?」

「もちろん君と同じところ」

 ふたつの輪っかは仲良く並んで転がり続けている。

 稚内を目指して。

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