眼鏡と紅い袴と御神籤解析

令和5年最新版こどもみくじ編

　令和五年

　知恵をさずかるこどもみくじ

　さて、お次はこどもみくじなる神託を解析していきましょう。こどもだからとて油断は禁物です。大人な我々にも突き刺さる言葉が記されてるやもしれません。

　「さずかる」と子どもにもわかりやすくひらがな表記されているかと思えば「授かる」と漢字表記も見られて、校正仕事しろや、と言いたくなりますが、そこは大人です。ぐっと奥歯を噛み締めて堪えましょう。

　11番　小吉

　ふつうより良い運勢です。小さな幸せにも感謝すれば、さらに良いことが訪れるでしょう。

　去年と比べれば　大吉　→　小吉　と3ランクもダウングレードされています。しかしそこはお子様です。一年前のデータなどとうに記憶になく、さらに「吉　＝　良し」と教えておいたので「『凶』じゃなかったー」と素直にアンコモンを喜んでおりました。「小さな幸せにも感謝を」とのたまうあたりに「大きな幸せはこねえよ」と宣告されていることに気付けないのも、またお子様ならではです。

　べんきょう

　苦手な科目を克服できるでしょう。

　解析：努力無くして成果無し。せっかく「頑張れば頑張った分だけリターンがあるんだよ」と教育しているのに、こんな紙っ切れ一枚の特殊効果で「苦手科目を克服」って、いやいや神さまよ、そいつは無責任過ぎやしませんかね。御神籤というマジックアイテムはもはや万能薬レベルの使い勝手の良さですか。

　うんどう

　毎日つづけましょう。じょうぶな体になります。

　解析：100人中99人が「そりゃそうだろ」と言ってしまいそうなお言葉、どうもありがとうございます。逆張りな論破の王様が1人だけ「毎日うんどうするひとはバカ」とか言いそうですが、そういうのは放置しといていいでしょう。毎日身体を動かすことの重要性をこの紙っ切れ一枚で説得できるので大いに活用します。力こそパワーなのです。パワー！

　ともだち

　けんかをしたら自分からあやまりましょう。

　解析：はい。これは普通にいい言葉です。こどもの仲直りとポケモンの育成は早い方がいいと言いますし。

　おこづかい

　感謝のきもちをもって使いましょう。

　解析：使いましょう。はあ？　貰えるのが大前提っすか？　電気・ガス・水道代が体温がすうっと下がるレベルで値上げされて、マクドナルドのポテトLサイズを躊躇するほど世の中値上げ値上げ。小吉ならば「よく考えて使いましょう」だろうが。「お金は無限にあるものではなく、消費すれば在庫が尽きてしまう石油のようなものだよ」と再教育します。

　ねがいごと

　全力でとりくめばかないます。

　解析：「かなう」って断言しちゃうあたりに小吉感が窺えますね。これが大吉あたりなら「もうかないました」って言われるんでしょう。「頑張れば頑張った分だけリターンがあるんだよ」という僕の教えを基に、ねがいごとを訊ねてみたら。「マインクラフトで擬似量子ビットコンピュータを再現したい」とのことです。なんでもそういうマイクラ系YouTubeチャンネルがあるらしいです。量子ビットコンピュータの説明からしてやりましたよ。ユーチューバーなんていなくなればいいのにと思ったのは久しぶりです。

　10年後のあなた

　すきなことをしごとにしているでしょう。

　解析：10年後の自分。僕自身、子どもの頃に10年後なんて考えたことないような。今だったら。たぶん寿命が10年縮んでいるでしょう。リアルに寿命を考えて向き合う年頃です。

　10年後何してる？　と聞いてみたら。「ユーチューバーとしてゲーム実況」って言われました。ユーチューバーはゲームで遊んでればいいみたい、だそうで。ユーチューバーなんていなくなればいいのにと思ったのは50秒ぶりです。Go◯gleによる搾取の手法を血の涙を流しながら訥々と言い聞かせました。

　実質、「すき」を「しごと」にするよりも「仕事」を「好き」になる方が道として正しいと思うのです。

　たのしく授かる知恵のおはなし

「一年の計は元旦にあり」

　何事も最初が大切なのではじめの計画や準備をしっかりすべきということ。

　解析：元旦は神社さんも混むので御参りに行ったの三日の午後過ぎなんですよね。この時点で「一年の計」とやらは破綻しちゃってます。おみくじとしてとてもいい言葉なのに、一年の計は西暦2024年元旦まで持ち越し決定です。来年から本気出します。

　あたまのたいそう

「しまの中に六頭の動物がいました。その動物とは？」

　解析：来たよ。なぞなぞコーナー。答えどこに書いてあるんだよ。見つけたんねえよ。

　えーと。しまの中に六頭。シから始まる動物名なんて「ショニサウルス」ぐらいしか思い浮かばない。

　大人には難しいが子どもには簡単らしいです。正解は……一年後に！