【閑話休題】わたしの病棟ルーティン

 2022.1.19(24歳)


 19歳のわたしは「開放病棟」に「任意入院」で入院していた。開放病棟とは「病棟の出入り口が一定時間施錠されていなくて、入院患者や面会者の出入りが可能な病棟」のこと、任意入院とは「本人の同意に基づいた入院」のことである。


 当時のわたしのルーティンを、簡単にまとめておく。



7時:外と電気のまぶしさで起床する。まだ眠いなと思えば、朝食(7時30分)までひと眠りする。


9時:看護師さんが巡回してくる。体温と脈を測定されたり、質問「調子はどうですか?」に答えたりする。


10時:部屋の掃除やごみ回収を担当しているおじいちゃんが来る。入院が長くなるほど仲良くなってしまう。実の祖父より会った。


10時30分:平日週2回ほどは、作業療法を受ける。作業療法は、ヨガ・ストレッチなどの運動系、革細工やレジンなどの手芸系、コーヒーや抹茶を飲みながらのコミュニケーション系があった。平日週2回は、カウンセリングを受ける。土日は、両親が面会に来がち。


12時:昼食を取る。眠くて朝食を8時30分にかきこんだ日は、昼食が食べられずに夕食前に空腹になり、痛い目を見る。


14時:平日週4回ほど、作業療法を受ける。たまにグループ療法(同世代の患者さんとカウンセラーさんとで話す。自助会みたい)やSST(ソーシャルスキルトレーニング。コミュニケーション方法の授業で、ロールプレイングもある)を受ける。

土日はプログラムがなかったので、看護師さんと病棟の周りを散歩したり、外出届を提出していれば外出に行ったりした。


17時:病棟の鍵が閉まり、許可がないと使えない物は使えなくなる。趣味が手芸の人は、これから10時まで暇で大変。


18時:夕食を取る。自宅での夕食の時間が19~21時のわたしは、いつも納得がいっていなかった。


19時:お風呂かシャワーを済ませる。4人部屋のときは朝に予約し、個室のときは部屋のユニットバスを使った。


22時:消灯。運動をしていないと、なかなか眠れない。終日持ち込みが許可されている場合に限って、スマートフォンをいじることしかできない。

1時間に1回見回りが来るので、わたしは足音を見計らって寝たフリをした。心配されるのがとても苦手だったからだが、何度もバレた。

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