無能の聖獣使い〜〜剣も魔法(チート能力)も持たない若干コミュ障の少年が異世界で無双するお話〜〜
厨二ファイター
第一章 コミュ障、異世界に降臨する。
プロローグ
「ん、ん、ん、ん、え?ここは、どこだ?」
煌めく木漏れ日、風が木々を揺らす音が響く中、1人の若い男の声が森の中に響いた。
どうやらひどく動揺しているようだ
発言からして、少年は全く知らない場所にいるようだ。
周りは豊かな木々が茂る森。
見た所森の出口は見えないため、そう簡単に抜け出すことはできなさそうだ。
(落ち着け、昨日のことを思い出そう。確か昨日はバイトが終わってから家に帰って風呂も入らず着替えもせずに寝たんだよな....駄目だ全く状況が理解できない。)
地べたに胡座をかいて、眉間に皺を寄せながらここに来た経緯について考えているようだが、その答えは出そうになく、混乱が混乱を生む状況だった。
(いつの間にこんなところに?"あの時"ならこんな状況もありえたかもしれないけど)
まるで大自然の中で坐禅を組んでいるかのような、何とも訳のわからない光景が広がっている。
そんな時だった
(!?)
少年は何かしらの異変を感じ取ったのか、勢いよく立ち上がった。
深く息を吐き、姿勢を低く構える。
木々のざわめく音が、少年の吐く息と呼応したその瞬間。
少年は"残像"を残して走り出した。
場所は変わって少年とは"かなり"離れた
森の中。
1人の少女と1人の女性が窮地にいた。
彼女らの目の前には立派な一本角を鼻の上に携えた四足の翼のない竜がいた。
その角はしっかりと彼女らを捉えており、その足は地面を整え、今まさに必殺の一撃をみまおうとしていた。
「お嬢様!せめてあなただけでもお逃げください!」
少女の前に立つ女性が叫ぶ。
「何を言っているのですか!私1人で逃げるなどできません!」
少女は女性の願いを拒んだ。
女性が再び少女に叫ぼうとする、しかしそれは竜には関係のないこと。
万全の体制を整えた竜は彼女らに向かって突進する。
その巨体は地面を打つ音と風を切る音を残しながら凄まじい速さで彼女らに迫る。
最後の言葉を発する暇もなく逃れようのない"死"が迫る。
運命を受け入れようと目を閉じた時だった。
来るはずの衝撃はいつまでたっても来ない。
ゆっくりと目を開けた2人。
そこには不思議な光景が広がっていた。
目の前には拳を構えた男が1人。
そしてその男の前には、白目を剥いて横たわる龍。
その龍は紛れもなく自分達の生命を脅かしていたものだ。
「え、えっ、ちょっとどうい、」
最後まで言い切る前に凄まじい轟音が迫る。動揺してる間にどこからともなく出てきた別の龍が男に迫っていた。
男は開いた左手を前に出し、右手を腰に据える。
「神室流奥義、"大砲"!!」
叫ぶように唱えた男は迫る竜の角に正拳突きに近い縦拳を繰り出す。
男の拳が竜の角の先に当たる、瞬間、竜の角にはヒビが走り竜は大きく痙攣した後、地面に突っ伏した
「あ、あ、あなたは一体?」
状況が理解できないながらも言葉を絞り出した少女。
男は振り向く。
その男、名を"神室 拳伍"
その存在は"唯一無二"
その強さは"天下無双"
そして、その存在は。
「あ、あ、あその、あ、えと、あの、その、だ、だ、う、えと、け、け、
け、怪我は、な、ないですか?」
"若干コミュ障"
*
初投稿です。よろしくお願いします。
感想、評価等励みになりますのでよろしくお願いします!
☆登場モンスター☆
(魔獣化状態)
ライノス
ランク B
発達した四肢と角を持つモンスター。
頑丈な身体と異常な突進力を持ち見かけによらず動きも速い、またそれなりに魔法耐性もあるので非常に厄介な敵。
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