第952話 着色料

 おくさんが友人と電話してる。


相変わらず内容丸聞こえ。


なんなら、


「向こう行っとこうか?」

「別に構わんよ」

『えぇ〜夫くん盗み聞きしてんのぉ〜? えっち〜! まぁ聞いてけやボウズ。アテーで大人の階段のぼりな』

「残念ながらもう大人なの」


とかいう有り様。



 で、その内容はというと、


『このまえイベントで、アニメコラボの商品売っててさぁ』

「ほほう」

『なんとキャラがプリントされたクッキー、10枚入りで2,200円! 1枚220円!』

「めっちゃ高級」

『もう使ってる着色料とかすごいんだろうねぇ〜!』

「赤色用に潰される虫もエリートなんだろうねぇ」


エリートでも潰される、世知辛い業界である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る