第925話 あなたの夢

「あなたの夢はなんですかーっ!」

「うわなんだ急に」


廊下の角から右手を真っ直ぐ挙げつつ急に現れるおくさん。危ない。


「あなたの夢はなんですかーっ!」

「何? 叶えてくれるの?」

「あなたの夢はなんですかーっ!」

「そういうわけではないのね」

「あなたの夢はなんですかーっ!」

「覚えてるなかで一番最初のは寿司職人だったかな?」

「あなたの夢はなんですかーっ!」

「中学の頃は教師だったかな」

「あなたの夢はなんですかーっ!」

「今はー、宝くじで一等当たらないかな? 買ったことないけど」

「あなたの夢はなんですかーっ!」

「……あなたに終生尽くします」

「よろしい」


悔しいから、あなたの夢を教えてください。

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