第848話 毒料理

 キッチンで腕組み仁王立ちおくさん。


「マンガとかでさ、『メシマズキャラが作る料理』ってあるじゃん」

「あるね。食べたら死にかけるやつ」


カウンターを挟んで立たされる僕。


「あの『紫色で、黒いなんかグニャグニャしたのが浮いてて、ドロッとして、煮立っている』」

「測ったように大体の作品でそういう感じだね」

「再現してみました」

「食べ物で遊ぶな」

「こちらです」

「こっ、これは!?」


出されたのは、確かに先ほどの条件を満たす何か。


「沸騰したブルーベリージャムに餡子の塊を放り込みました」

「ただのスイーツじゃん」


でも食べたら甘すぎて気分悪くなったので、しっかり毒料理だった。

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