第381話 実印

 捺印する機会があったので、思い出したように実印も持ってきて眺めるおくさん。


しばらくそうしていたかと思うと、


「ちょっとこっち向いて」

「何?」


額に実印押された。


「やったな!?」

「改めて私の支配下であることが証明されたね。よかったじゃん」

「じゃあ僕もやっていい?」

「いいけど朱が落ちたら戸籍抜ける」

「一方的に重い……」


さすが実印、契約内容が重大。

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