第211話 お米一粒

 スーパーに買い物に行き、お米のコーナーへ。


おくさんが十キロのお米を撫でる。


「お米十キロって何粒?」

「さぁ?」

「調べて。そのアイフォンはただの板?」

「辛辣ぅ」


言われるがままに調べてみる。


「大体五十万粒くらいになるらしいね」

「五十万!」


おくさんは急に腕を組んでお米十キロを睨み付ける。


「……『お米一粒に七人の神様』。つまりのこの袋詰めに三百五十万の神様……」

「……」


「勝ったな」

「何に」


二人暮らしの僕らが十キロを買うのはまだまだ先の話。

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