無気力高校生がVtuberを始めます。

sou

第1話 親が勝手に応募した。

和人『え?』


父『お前は明日Vtuberの面接あるからいけ!詳しくは知らん!』


父が仕事から帰ってきてから早々こんな事を言い出した。


和人『えーと、どゆこと?』


父『いいから、明日に備えて寝とけ!』


明日はせっかくの土曜日の筈なのにな。ゆっくり寝れると思ったらこれだ。母も何故か乗り気だし。てか、そもそも........


和人『Vtuberってなに?』


母『え、Vtuber知らないの?今物凄く流行ってるじゃない。ほら、丁度今CMに......』


ふと母がテレビの方に視線を向けたので、俺もそっちを向く。


和人『絵が動いてるね.....』


母『え?それだけ?何か可愛いとかそういうのはないの?』


そう言われて再度テレビの方を向く。ふむ、確かに可愛いと思う。だが、ただそれだけだ。


和人『確かに可愛いね.....』


母『そ、そう...... と、とりあえず!明日は面接なんだし、早く寝ちゃいなさい!』


父『そ、そうだぞ!面接は最初が肝心なんだ!眠気でフラフラしながら面接なんか行ったら恥ずかしいからな!あ、それと私服でオッケーだそうだ。じゃ頑張ってくれ。』


そう言って2人して俺の背中を押して、リビングから追い出された。


和人『ふーん、Vtuberねぇ...... つまんなそ。』


この呟きは誰の耳に留まることもなく、階段を登っていく和人と一緒に闇に引き込まれていくのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る