第6話 人の役に立ちたい



 頭の中が疑問符でいっぱいな俺は、攻略対象達に直接聞くのもあれかと思い、周囲の友人達に色々聞きまわった。


 が、皆分からないというばかりだ。


 まあ、人に言いふらせるような事じゃないし。まだ学園生活初日だしな。


 けど、あいつらの身に不幸が起こったっていうなら、運命の修正力とかが働いたのか。


 結局、俺がやった事は無駄だったのか?


 せっかく、乙女ゲームの、しかも原作をしっている世界に転生したんだ。


 それだったら、人の役に立ちたいって思ったのに。


 俺の前世は、人の手を借りたいと生きていけない人生だった。


 何をするにも、一人でやる事ができない。


 なんでそんな体の俺を生んだんだよって、両親を恨んだりしたさ。


 結局、最後には立ち直ったけど。


 でもだからこそ、この世界では思いっきり人の役に立とうと思ったのに。


 茫然自失としたまま俺は、暗い顔をして学校をさすらっていた。


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