第4話 アウルの過去イベントを改変



 というわけで、家を脱走(二回目)。


 おお、なんという不良息子だ(棒読み)。


 でも、仕方がない。


 人の命。ではなく吸血鬼の命がかかっているんだから。


 そして、原作の知識を頼りにして、小さな旅に出た俺は、町を三つ分離れた場所へ。


 なんやかんやあって、吸血鬼の隠れ里に到着!


 乙女ゲームの情報があってよかった。


 隠れ里っていうだけあって、秘められた場所にあったもんな。


 滝からおちて、ぐるぐるの滝つぼに吸い込まれるなんて経験もうしたくねーよ。


 死ぬかと思ったわ。


 まあ、そんな死ぬ思いをしてまでたどりついたんだから、なんとかしないとな。


 そういうわけで、吸血鬼の里の住民達こんにちは。


「侵入者だ!」


 うぉっ、急に竹やりでぶすっと刺そうとするな!


 俺は敵じゃねぇから。


 まあ、考えてみれば当然だよな。急にやってきた人間なんて、あやしすぎる。

 だからその後、説得するのに小一時間くらいかかった。






 偶然滝から落ちて、滝つぼにはまった子供が迷い込んだ。


 として押し通した俺は、怪しい連中の事を伝えた。


 里の近くに、変な人間がうんぬん。


 吸血鬼の皆は警戒してくれたようだ。


 これなら大丈夫そうかな。


 吸血鬼は、警戒さえしてれば隠れたり、逃げたりするの得意だって、前世で見た設定資料かなんか、どっかに書いてあったし、まあ何とかなるだろ。


 不意打ちされない限りは、生きていけるはず。


 しかし、どうやって帰ろう。


 また、あの吸い込まれた滝つぼから出るの?


 むずくない?


 しかし、途方に暮れていた俺は、吸血鬼の長老につれていかれて、無事に人里に送り届けられた。


 アウルよ。


 俺はがんばったぞ。


 ちなみに、家に帰ったらやっぱり怒られた。


 初回は初犯だったから怒られるだけですんだけど、今度は布団でぐるぐる巻きにされて、物干しざおにつるされる罰になった。


 布団の気持ちが分かるぜ!


 しかし、夜は冷えるな。


 へっくしょん。


 あれ、俺の事忘れられてない?


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