異世界に召喚されてからずいぶん経ち、夢も希望も無くなった勇者の姿が胸に来ました。派手で目を惹く物語の裏側、描かれていなかった苦悩が現れている話は、とても好きです。
　異世界ものは、多大に偏見を込めて言いますが、普通の人がいきなり勇者にされて、殺したり殺されたりする状況にすぐ順応できるのか、と思ってしまいます。勇者の等身大の姿を描いたお話は、昨今ではあまりウケないのかもしれませんが、やはり私はこちらの方が好感が持てます。
　「見たい番組があるから早く帰りたい」というのにも共感を得ました。家族とか友情とか恋愛とか、そこではないところに拠り所を求めるというのも、現実世界と同じなのかもしれません。

　最後に大変遅くなりましたが、自主企画への参加、ありがとうございました！

追放されたい系魔法使いが見たら、激怒しそうだな、と読みながら思ってしまいました。
帰りたいけど、（たぶん認めたくない）未練がぬぐいきれないんでしょうね(´・ω・`)

割と異世界に幻滅する話を書いている私が言うのもなんですが、この主人公もかなり辛いですね。