第5話 血と魔力の結晶 魔法使いの最後の呪文
「全てを焼き尽くす焔の力、赤い火焔、火焔の魔力」
深い欲望と狙い続けた年月の深い闇のような時間にその重さ
ようやく手にしたと言わんばかりに叫ぶ
神を名乗る魔法使いが狂気に満ちて声を上げて叫んでいた
「私の長きに渡る目的と欲望を満たすもの 私の物だ!」
「そうだ!私が大いなる力を手にいれ、天上の世界に戻り
私を追放した神々と呼ばれる私の同族どもだ・・
彼らを 皆殺しにする為の大いなる絶大な魔力・・力・・」狂喜の声をあげる魔法使い
「あの、麗しい、もう一人の火竜王、火焔の王女 テインタル王女
深紅の瞳の麗しい、哀れな火焔、黒の王女だけでは
生贄として、まだ足りない 足らないのだよ 私の欲望を満たすには足らないのだ」
「今回、再び二人も出現したのだ!
二人、出現した! 火竜王、火焔の王女と火焔の王だ
異母兄妹婚に血族、近親婚を続けてより強く、高まった絶大な魔法の力 血の結晶だ
ゆえに 黒の王 火竜王アーシュラン 貴方の力を 貴方が欲しいのだ!」
「だが、そうだ アーシュよ、簡単には 殺しはしない、長い間 手間取らせてくれた礼に
そなたをじわじわと殺して・・残酷なまでに時をかけて、じわじわ嬲り殺してやろう」
黒の王 火竜王(サラマンデイア)、火焔の王よ 貴方の命と魔力を奪う・・」
ぐいとアーシュ、アーシュランは
アーシュ自身の自分の左手首を握られながらも力を入れて魔法使いの身体に剣を突き刺す
「うぐっ!」声を上げる魔法使い 彼の口から、また血が流れる
「ふっ・・ふふふ」魔法使いは笑う
「お前の世迷言はここで終わりだ 魔法使い、気でも狂っているのか、
そんな状態で 何が出来る」アーシュは冷めた声でそう告げて言った
だが、血を口元から流しつつも、まだ、笑い続ける魔法使い
「何がおかしい?」怪訝な顔をするアーシュ
「ん・・うっ!・・ううっ!」
今度はアーシュが 息苦しそうに 苦しそうな声を口から漏らす
突然の事だった! 前ぶれもなしに 激しい電流のような力が
アーシュの身体中を巡り 身体の中から 焼けるような激しい痛みを感じる
魔法使いはブツブツと魔法の呪文を小さな声で唱えていた
「・・き・・きさま! お前は何をしている魔法使い!」
アーシュ、アーシュランは痛みに歯ぎしりをして 叫ぶように言う
「貴方の命、魔力 全てを頂き 奪うと言いましたよ・・
火焔の王、火竜王(サラマンデイア)」
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