第20話:ノアールの正体

それにしても、さすがはギルドマスターだね。

簡単な検査だけで門の中に入れたんだよ。ところでこれからどうするの?

「まずは宿を決める。それからギルドの王都本部だ。って言いたいところだが、まずは巨人をどうにかしよう」

そうだね。今のままじゃ重くてノアールを抱っこ出来ないんだよ。もちろん宿にも入れないんだよ。

「このまま馬車でギルドに向かうぞ」


ずっしん、ずっしん、ずっしん・・・


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドへようこそ!」

ギルドマスターがカウンターじゃなくて、奥の部屋に行っちゃったね・・・

ノアールは裏口で待ってて欲しいんだよ。ギルドの床が抜けるかもしれないからね。

私がカウンターに並んで鑑定のお願いをする。

「正体不明の巨人の魔物?それがどこにあるの?」

裏口いる私の使い魔が持ってるんだよ。

「裏口ね」

ノアール、デカイやつを出して欲しいんだよ。


ぺっ・・・でろん


「え?何これ?」

正体がわからなかったんだよ。鑑定と買取をお願いしたいんだよ。

「これは少し時間がかかるかもしれないわ・・・」

それと、ノアールの種族も鑑定してほしいんだよ。

「どういうこと?」

使い魔登録の時に種族が不明だったんだよ。

「じゃあ、とりあえずステータス確認ね?まずはご主人様の確認ね?」

え?私もなの?嫌な予感がするんだよ・・・


名前:リーゼロッテ(ブリュンヒルデ・ディア・ダージリン)

年齢:10

種族:不明(当ギルドに該当無し)

職業:テイマー(ただしスライムに限る)

称号:深淵を覗きし者

レベル:1

HP:10

MP:10

ちから:1

すばやさ:1

かしこさ:1

きようさ:1

経験値:0

次のレベルまで: -


状態

呪い<成長阻害>

呪い<職業限定>

呪い<能力限定>

呪い<不幸吸収>

呪い<幸運拡散>

呪い<祝福封印>:本人以外非表示

呪い<神力封印>:本人以外非表示


スキル

テイム:0


レアスキル

無し


ユニークスキル

無し


その他

無し


「何これ?お嬢ちゃんも大概ね・・・突っ込みどころしかないわ・・・」

まあ、今回は私のことはどうでもいいんだよ。

問題なのはノアールなんだよ。謎のスキルの正体を知りたいんだよ。

「じゃあ、使い魔のスライムちゃんをここに乗せて」

石板の上にノアールを乗せる。


名前:ノアール

年齢:不明

種族:アビススライム(アンリマユ)

職業:闇の王

称号:深淵を極めし者

レベル:3

HP:300

MP:300

ちから:30

すばやさ:30

かしこさ:30

きようさ:30


状態

テイム


スキル

浄化:10

分解:10

吸収:10

治癒:1


レアスキル

鉄壁:10

保管:10

深淵魔法:10


ユニークスキル

次元回廊


その他

リーゼロッテの使い魔。


「ちゃんと結果が出たわね?ちゃんとお嬢ちゃんの名前が主人として登録されてるし大丈夫よ」

うわぁ、やっぱりとんでもない気がするんだよ。

今まで見えなかった職業や称号があるんだよ・・・

「とんでもないレアなスライムね・・・」

種族はどっちを見ればいいの?

「どっちって?1個しか表示されてないわよ?アビススライムって書いてあるわね」

え?

お姉さんには『アンリマユ』っていうのは見えてないんだね・・・

これって前は名前に表示されてたよね?今度は種族になったんだよ?

名前=種族ってユニークモンスターってことなんだよ・・・

絶対にめっちゃ強いやつなんだよ・・・

きっと禁則事項に関係する単語なんだよ。私も見なかったことにするんだよ・・・

ほかにも見えてない項目があるかもしれないから、黙っていることにするんだよ・・・

もしかして、使い魔の主人だけが閲覧できる項目?

私の呪いにも本人しか見えない項目があるしね・・・

積極的には追及しないようにしないとね。これは禁則事項の予感なんだよ。

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