第14話・招かざる客

 私は郊外店に勤務することが多かったのですが、駅に近い繁華街などのショップの話を聞くと、これまた別の意味でハード。人通りが多いということは、いろんな人が来られる可能性があること。当たり前ですが……。


 聞いて一番驚いたのは、とても挙動不審なお客様のこと。なんだか変だなと思いながらも積極的に接客をして新規契約へと漕ぎ着けた店長の営業力は尊敬に値します。私なら、適当にあしらって終わりだったはず。


 一通りの契約手続きが完了して、登録までの時間はそのお客様は一旦店を出られたのですが、なんと鞄を忘れて行かれたらしいのです。一応、念の為にとその忘れ物の確認で鞄の中を見てみると、入っていたのは注射器など。

 挙動不審さと注射器とでピンときた店長はすぐに警察へと連絡。何も知らないそのお客様は新規登録が終わった頃に再来店され、そのまま警察の方に連行されていかれたそうです。


 また、これも犯罪行為だと思うのですが、駅に近いお店に現れたのは、とても愛想の良いおじさん。店に入って速攻で、「1000円でいいんで、貸して下さい」。お店のお金は管理されてるからと断ると、「あなたが個人的にでいいんで」と。必ず返しに来るのでという言葉を信じた人の良い店員が、ポケットマネーから貸してあげたそうですが、その後そのおじさんが返しに来ることはありませんでした。


 実は私もこれは郊外店でも遭遇した経験があり、その時に要求されたのは500円でした。近くの交番で相談してもらうように言って断ったのですが、なかなかしつこかったです。

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