5-3

 私達は、新婚旅行の地中海沿岸から帰ってきて、直ぐに、私の実家に寄った。お土産をお母さんに渡して


「プチはどうしてる? 今、居ないの?」


「すずり それがね あなた達の式の日 私達が出かける時、チッチが私に飛びついて来て、だから、抱きかかえたんだけどね そしたら、私の顔を舐めて来るんで 止めてよチッチ っておろしたんだけど そのまま 出掛けたの それでね、帰ってきたら それでね それっきり、見当たらなくなってしまって・・ ごめんね すずり あの子 やっぱり プチ だったみたいね もうチッチも寿命が来てたんで、独りでどこかに消えて行ったのよね もう 1週間も帰ってこないわ」


「そかなぁー プチは私と共同体なのよ そんなー 一人だけでどっかに行くわけないわ 庭にいるんじゃぁないのー」


「落ち着けよ すずり 気持、わかるけど 猫は死に際は 主人にその姿を見せないんだよ」と、舜は冷たく言って居た。 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る