279_人の選択には偏りがある【ランダムに選ぶのは不可】 #決断 #数字

「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『人の選択には偏りがある【ランダムに選ぶのは不可】』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は何かを選ぶとき、ランダムで決めることはありますか?」


「ランダムに決めると、すべてが同じ確率で選ばれます。決めきれないときに有効でしょう」


「ですが、それって本当に同じ確率ですか?」


「本当に完全なランダムを体現しているのでしょうか?」


「否! 否です!」


「実は、人は完全にランダムに数字を選ぶことなどの不可能なことが明らかとなりました」


「人には無意識に避けてしまうものや無意識に選んでしまうものがあったのです」


「この無意識を利用すれば、アンケートで選んでほしいものを選ばせることが可能になるかもしれません。是非、最後までお付き合いください」


「イギリスのブリストル大学の学生がインターネットでアンケートを行って、人のランダム性について調べてくれました」


「アンケート内容は至ってシンプルです。全4問で構成されていまして、数分もかからず終わるものです」


「1問目は、数字を選択します。1~10までの数字が書いてあり、適当に一つ選ぶだけです」


「数字とその下にチェックボックスがあるので、チェックボックスをクリックするだけで終わります」


「2問目は、1~50までの数字を適当に一つ選びます。この時、数字は並んでおらず、自分で直接数字を入力します」


「3問目は、数字の代わりにアルファベットを一つ選びます。A~Zまでの適当な文字を入力します。これもチェックボックスはなく、自分で直接入力します」


「4問目は、1問目と同じく1~10までの数字を適当に一つ選びます。1問目との違いは、チェックボックスがなく直接入力という点です」


「こうして、数字とアルファベットを適当に選んでもらい、ランダムにバラけるか調べたのです」


「最終的な参加者は2190人に上りました」


「アンケートを分析した結果を先に申しますと、数字やアルファベットに偏りが出ました」


「では一体、どの数字やアルファベットがより選ばれ、どの数字やアルファベットが選ばれなかったのでしょうか?」


「読者様は1~10まで数字が並んでいたら、どの数字を適当に選びますか?」


「また、適当に数字やアルファベットを選んでいいのなら、どれを選びますか? キリのいい数字ですか? それとも、中途半端な数字ですか?」


「まず、1問目と4問目の結果ですが、一番選ばれていたのは『4』でした」


「2190人が回答していますので、均等にバラけたら219人が選ぶことになりますが、4を選んだ人は300人を越えていました」


「逆に選ばれなかった数字は『1』と『10』でした。どちらの数字も150人ほどしか選んでいません」


「他にも、『5』や『6』を選ぶ人もかなり少なかったです」


「つまり、人は端っこと真ん中を避ける傾向が確認されました」


「1~10の数字だと4が一番選ばれましたが、『2』『3』『7』『8』『9』も平均以上に選ばれていました」


「ちなみに、1問目と4問目の答えで同じ数字を選択した人が10.1%いました。理論上では同じ数字を選択する人は10%ですので、理論値となる結果でした」


「面白いことにですね、1問目と4問目で10を選ぶ人の数が大きく違いました」


「1問目で10を選んだ人は1と同じくらいでしたが、4問目だと大幅に10を選ぶ人が少なくなっていました」


「このことについて、仮説を立てています。それは、面倒だから、です」


「1問目は数字をチェックするだけなので、どの数字を選んでも労力は変わりません。しかし、4問目は自分で直接入力する必要があります」


「唯一2桁の10が避けられたのです。ほんのちょっとした手間でも、人は嫌悪するのではないか、と考えたのです」


「つまり、アンケートで選ばせたくないのがあったら、選んだり書いたりするのを面倒にしたらいいのです。一手間増えるだけで選ぶ人が減ります」


「1~50までの数字を適当に選ぶ2問目の分析ですが、かなりバラつきが出ました」


「単純計算すると2190を50に分割するので、一つあたり2%である約44人が選ぶことになります」


「しかし、一番選ばれた数字は全体の5.8%の人が選んでいました」


「その数字は、『37』でした!」


「なんともキリの悪い数字が一番選ばれていたのです」


「逆に選ばれなかったのは『30』でした。その割合は0.5%でした」


「期待値の2倍以上選ばれる数字もあれば、期待値の4分の1に届かない数字もあるのです」


「かなりのバラつきがあるので、人はランダムに数字を選ぶのは不可能みたいです」


「ちなみに、人はキリのいい数字を選ばない傾向が確認されました」


「10の倍数、『10』『20』『30』『40』『50』を選ぶ人の期待値は合計すると10%になります。実際に選ばれたのは合計で4.3%でした」


「一方で一桁目に7を含む数字、『7』『17』『27』『37』『47』が選ばれる割合は18.7%でした」


「人は適当に数字を選べと言われるとキリのいい数字は選ばないのです。キリのいい数字は避けられるのです」


「同じく5に関する数字もあまり選ばれていませんでした」


「読者様も選ばせたい数字はキリの悪い数字、選ばせたくない数字はキリのいい数字と覚えておきましょう」


「自分がアンケートを作るときに都合のいい結果を引き寄せるのに使えますよ。また、アンケートで選ばせたい項目を知ることもできます」


「3問目のアルファベットを適当に選ぶアンケートですが、こちらもバラけました」


「1問目や4問目では端っこは選ばれていませんでしたが、アルファベットでは違ったみたいです」


「よく選ばれたのは『J』『G』『H』で続いて『K』『F』が選ばれていました」


「英語に頻出する『E』などはほとんど選ばれませんでした」


「この結果の説明は簡単です。それは、キーボードの配列です」


「QWERTY配列の中心にある文字が選ばれていることが判明しました」


「また、『A』『Q』『Z』もたくさん選ばれていました」


「通常、パソコンを操作する時、右手でマウスを動かしカーソルを移動させ、左手でキーボードを操作します。既に左手の指が置かれている場所から選ばれました」


「いわゆるホームポジションの文字が選ばれたのです」


「この結果は4問目の10が選ばれなかった理由と同じです。10も入力が面倒という理由で忌避されました。わざわざ指を動かしてまで適当な文字を選びたくないのです」


「人がランダムに選ぶ場合、極限まで手間を省くということです」


「読者様もアンケートに回答した時、流れ作業で同じような項目を選択していませんか?」


「適当に選んでいい場合、適当に選ぶのではなく、楽なものを選びがちになります。覚えておいてくださいね」


「ランダムという名の怠惰、という所で今回のまとめです」


「インターネットで数字やアルファベットを適当に選んでもらう研究を行ったよ」


「すると、1~10までの数字だと4が一番多く選ばれたよ」


「1~50になると37が一番選ばれたよ」


「どうやら、端っこや真ん中の数字は選ばれにくいことが判明したよ」


「ランダムに選ぶ場合、キリの悪い数字を選びがちだよ」


「アルファベットの場合は、面倒な文字が選ばれなかったよ」


「既にキーボードの上に指がある押しやすい文字が選ばれたよ。『J』『G』『H』『K』『F』だね」


「適当に選ぶ場合、手間を省くことが確認されたよ」


「人の選択はランダムではなく、怠惰によって決まります」


「読者様がご自身でアンケートを行う場合は、手間を気を付けてください」


「面倒な選択肢は選ばれにくくなります」


「こうやってアンケートの結果が都合のいいように改竄されていくのでしょうね」


「ということで、今回は『人の選択には偏りがある【ランダムに選ぶのは不可】』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。待ってまーす」


「それでは、次回の『数学の力を使って【ジャンケン】の勝率をあげる』で、またお会いしましょう。バイバーイ」



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