068_一般人とは違うお金持ちの時間の使い方 #時間 #生活
「古代ギリシアの哲学者アリストテレスは言いました。『人生の目的には、レジャー、幸福、知識の蓄積の三つがある。レジャーは幸福と知識の蓄積を得るための必要条件で、人生の究極の目的の一つである』と。含蓄ですね」
「やっほー、賢明なる読者様。読むと人生が変わる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『一般人とは違うお金持ちの時間の使い方』のお話をしたいと思います」
「では、よろしくお願いします」
「読者様はどのように時間を使いますか?」
「一日の内、仕事は何時間ですか? リラックスタイムは何時間ですか? パソコンやスマホを使っている時間は長いですか?」
「今回のお話は、一般人とお金持ちの時間の使い方の違いについてです」
「読者様は興味がありますか?」
「どう思いますか? 一般人とお金持ちで時間の使い方に差はあると思いますか?」
「あると思うのなら、何が違うと思いますか?」
「お金持ちが仕事をずっとしているというイメージがある一方で、南の島でゆっくりバカンスを楽しんでいるイメージもあります。どちらが正しいのでしょうか?」
「考えれば、面白いですよね。一般人とお金持ちで違いがあってもおかしくないですよね」
「前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。今回はオランダのマースリヒト大学で億万長者を研究している方の研究です」
「まず研究者は、オランダに住むお金持ち863人と一般人1232人に対して、時間の使い方を調べました」
「被験者を募る際に、お金持ちを集めているという事実は隠して集めました。要はお金持ちにという意識を減らして調査しました」
「『あなたはお金持ちです』って宣言されたら、身構えますよね。潜在的な影響を減らしたかったのです」
「集められたお金持ちも中々すごいですよ」
「お金持ちの50.3%はオランダの金持ちの上位の5%に属していました。さらに22%は上位1.5%に属していました。間違いなくオランダの富裕層を集めたのです」
「それでですね、研究者はお金持ちと一般人のデータを集めて分析しました」
「するとですね、両者の時間の使い方について判明したのですが、かなり似通っていました」
「意外ですよね。お金持ちと一般人で時間の使い方には大差がなかったのです!」
「いくつか項目があり、それぞれでどれだけ時間を使っているか割合が出ました」
「それぞれの項目についてお話ししましょう」
「まずは食事です」
「食事の時間はお金持ちが6.9%で、一般人は6.6%でした。お金持ちの方が会食などが多いから若干多いと思われます」
「次にパソコンやスマホを触っている時間ですが、こちらは両者とも12%」
「デジタルデバイスの影響はお金持ちも一般人も差がないんですね」
「続いてはNECESSITIESです。日本語では必需品です。料理の時間や買い物の時間のことです」
「お金持ちは15.3%、一般人は16%です」
「両者で料理や買い物の時間に大差はなかったのですが、お金持ちは育児の時間を減らしていました。ベビーシッターを雇っていたためです」
「一般人がベビーシッターを雇うのは金銭的な面でハードルが高かったみたいです」
「続いて仕事ですが、お金持ちは16.4%で一般人は18.9%でした。なんと一般人の方が働いてたのです」
「お金持ちは楽している、一般人は勤勉だな、という単純な結果でもないようです。どうやら、お金持ちの人は退職した後も何かしらの仕事をしている割合が高かったのです」
「一般人は定年退職した後で働く人が少なく、対してオランダの65歳~74歳の億万長者の10.3%は働いていました。働いている期間が長いんですねぇ」
「総合的に見ると、どちらより多く働いているのでしょうか?」
「最後に休暇の時間も出ています。お金持ちが46.3%で、一般人は45.7%の時間を休暇に費やしていました」
「おいおい、ちょっと待て、ほとんど時間の使い方が一緒じゃないか? と思いましたか?」
「確かにこれだけだと、同じような割合です。ですが、お金持ちと一般人では中身に違いがありました」
「実は、お金持ちはパッシブレジャーよりアクティブレジャーに時間を費やしていたのです」
「パッシブレジャーとは、テレビを見たり、リラックスしたり、何もしないことです」
「アクティブレジャーとは、運動やボランティア、友達と遊んだりなどです」
「つまり、お金持ちは休暇中に家で休むより、外に出て活動することを好んだのです」
「いやー、面白い結果ですね。お金持ちはアクティブなんですね」
「ちなみに割合で言いますと、お金持ちはパッシブレジャーが24.3%、アクティブレジャーが22%でした」
「一般人はパッシブレジャーが30.2%、アクティブレジャーが15.7%です」
「他の項目より明らかに数値が違います」
「お金持ちは一般人より約29分多くアクティブに過ごすそうで、何より約19分も多く運動をしていました」
「さらに、お金持ちは休暇に約40分パッシブレジャーの時間が少なかったのです」
「テレビを見る時間も約16分少なく、リラックスしている時間も約16分少なかったのです」
「休みの日でもよく体を動かすのがお金持ちなのです。いやはや、脱帽ですな」
「このことから、休暇をアクティブに過ごせばお金持ちになれる……と言えれば最高ですが、実際はそんなことにはなりません」
「今回はあくまで観察研究です。読者様が休暇に運動やら友達と過ごすようになったからと言って、お金持ちなれる保証はありません」
「ですが、お金持ちの行動を真似することは決して損にはなりません。読者様がお金持ちになった時にお金持ちからハブられる可能性が減ります」
「何より、お金持ちの行動を真似したら、お金持ちと知り合いになれる可能性が増えます」
「本物のお金持ちから学べば、お金持ちになるのも夢ではありません。一つの成功例を間近で見られるのは最高の教育です」
「是非、読者様も休日は家でゴロゴロするのではなく、外出してみてはいかがでしょうか? お金持ちが転がっているかもしれませんよ」
「この研究はこれだけでは終わりません。またしてもお金持ちと一般人を集めて、仕事の裁量権と人生の満足度について調査しました」
「お金持ちは690人、その内の421人は最低でも100万ユーロの資産がある人です。これはオランダの富裕層ランキングの上位2.5%となります。その他の人も上位10%に入る富豪でした」
「一般人は306人でした。ちょっと少ないですね。まあ、サンプルとしては十分ですが」
「仕事の裁量権とは、働く時間を決めたり、何をするか決めたり、仕事の進め方を決定する権利のことです。自由に仕事を決められる権利ですね」
「それで結果ですが、とても面白いものとなりました。なぜかと言いますと、今回の結果ではお金持ちの方が一般人より多く働いていると出たのです」
「いやー、いきなり先程の結果が覆りました。まあ、科学の世界ではよくあることです」
「ただ、お金持ちは自主的に働いていたのです。誰かに言われて働いていたのではないです」
「お金持ちほど、仕事の裁量権が大きかったのです」
「自分から働く、仕事人の鑑ですね!」
「では働くお金持ちが不幸かと言うと、そんなことはありません。仕事を自由に決められるので人生の満足度は高かったのです」
「人というのは何よりも自分で決めれると幸福になります。逆に誰かに指示されているとやる気を失います」
「勉強しようとした時に、親から『勉強しなさい』と言われたらやる気を失う経験ないですか。これと同じです」
「自分の意思で決めたことはすんなりできますが、誰かに言われた途端に興が削がれる。よくあることです」
「仕事とは裁量権を得るための戦いです!」
「そんな訳で、まとめです。オランダのお金持ちと一般人の時間の使い方を調べたら、そんなに大きな差はなかったよ」
「でも、休暇の使い方が違った。どうやらお金持ちはアクティブレジャーに使う時間が多かったぞ」
「そして、お金持ちほど仕事の裁量権が大きくて、人生の満足度が高かったでやんす」
「どうですか? 読者様はお金持ちの時間の使い方を真似したくなりましたか?」
「逆に言えば、お金持ちの条件は休暇をアクティブに過ごして、仕事を自由に決められることかもしれませんね」
「お金持ちの生態を生かすも殺すも読者様の自由でございます」
「活用できることを祈っております」
「ということで、今回は『一般人とは違うお金持ちの時間の使い方』のお話でした。読者様の知識になれば幸いです」
「お付き合いいただきまして、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」
「次回の『外交的で収入が低い人は無駄遣いが大好き』で、お会いしましょう」
「もしくは、読者様の気になるお話でお待ちしております。バイバイ」
参考文献
Time Use and Happiness of Millionaires: Evidence From the Netherlands
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