第2話 森の中
「ぜぇぜぇぜぇ・・・・」
づがれだ~
日頃の運動不足が憎い
でもなんとか茂みへと身を隠すことに成功
っというか追ってきてなかったのか?
なら急ぐ必要はなかったかな?
それでも一応は万全のきす!
「キュゥゥー」
か細くなくうさぎさん
「よしよし」
と頭をなでて
「うーん、治療だよな・・・」
そう言って矢を見る
そこからは血がしたたり落ちていた
白い毛は赤く染まってる
「うーん、とりあえずは抜かないとだよな?」
そして矢を触ると
「ピギューーー!!」
「シーシー!!!」
やはり痛むようで触ると振動が伝わるのか
うさぎさんは鳴いた
「うーーーん、でもなーーー・・・・よし!」
そのまま矢を手に一気に抜く
「ピギュ!!キュー-!!キューーー!!」
「シーシー!!!!」
鳴くうさぎさん
そして抜いたところから勢いよく血が流れる
そこに
「待ってろよ・・・今・・・」
そういってきていた上着をその血が出ていた場所に押し付ける
「キューーー!!キューーー!!」
「よしよし、待っててな・・・」
たしかこれは俗にいう
直接止血法ってやつだったかな?
傷口を直接塞いで血を止めるってやつ
なんか人命救助のやつで勉強した気がする
あとは・・・
間接止血法?だったか・・・
傷口近くの太い動脈を止めた止血するみたいなやつ
あれは・・・
「うさぎはどこが動脈?」
わからないけど・・・
「とりあえず・・・」
そういって上着の腕の部分を引きちぎる
そして矢はうさぎさんのふとももに刺さていたので
股関節のあたりに腕の部分を回しつけてきつめに縛る
「キューーー!!」
「あと少しだからね・・・」
そういってもう片方の腕の部分をちぎり取り
傷口に上着の残った部分を当てて
そこを固定するように腕の部分をまいた
「・・・うん・・・とりあえずは・・・いいかな・・・」
「キュゥゥ」
弱弱しく声をだすうさぎさん
でも正直これぐらいしかできない
あとは血を止まるのを待つしか・・・・
どうしたものか・・・
そう思いながら周りを見渡す
人を探してっといきたいが
先ほどのように言葉がまったくわからない
正直人に会うのは逆に不安だ
しかし、いつまでも茂みにいても・・・
「あそこは・・・」
木々が茂る地帯を発見した
「うーん・・・」
考えた
またうさぎさんのような野生のモンスター?てか
うさぎさんは動物か・・・
でもそんなのに遭遇する確率は高い気がする
だが逆に生存に必要なものが手に入りやすい気もする
それこそ死の森!みたいな
ベタな設定の森ならアウトだが・・・
「どっちにしても手詰まり感があるなら・・・向かうか・・・」
そういってすこしクタっとして元気のない
うさぎさんを抱えて森へと向かう
・・・
森の中へと入り込むと木々の葉が太陽を遮り
幾分か暗く感じる
だが、程よいといっていいのか
気味が悪いほど暗いというわけではない
しかし
警戒は怠らず
周りをキョロキョロしながら進む
足元は整備なんてされてなく伸びた草木が足に絡む
それを蹴り上げるように歩く
ほどなくしたところに
ほんの少し開けたスペースを見つけた
「ここで・・・いいか」
そう思い荷物をおき
うさぎさんを横たえて
腰を下ろした
「キュゥゥぅ」
「よしよし」
不安そうになくうさぎさんをなでなでする
そして傷の様子を確認する
血の量は先ほどではない
しかし、このままというのもよくないだろう
あとできることはうさぎさんになにか食べてもらい
元気を出してもらうことくらいだ
「ちょっと待っててね」
そう言い残してその場を離れる
といってもすぐ近くで済ますことにした
なにかあった時のために
「なにかないかな・・・なにか・・・」
キョロキョロとしながら足元
そして木の枝などをみる
「あ!」
なんかいい感じの木の棒
「なにかあった時のために・・・」
そういって片手にもって歩く
さながら現時点ではこれがエクスカリバーといったところか・・・
「チート装備・・・それも定番だったな・・・・」
つい漏れ出てしまった
そんなことを思い草や落ちている実を拾って
鞄にすばやく詰める
どれが毒とかわからないが
よく聞く派手な色はやばいっというのは守り
なんか赤い葉っぱとか色がついてるのはやめる
実は・・・
わからないからなんでも拾う
そうして数分もとの位置にもどると
うさぎさんは動き出そうとしていた
「うさぎさん!だめだよ!安静にして!」
そういって駆け寄りうさぎさんを抱き上げる
「キュー・・・」
鳴くうさぎさんに
「いまご飯あげるから」
と言ってさっき拾った草や実を広げた
そしてそのまえにうさぎさんを降ろす
うさぎさんは鼻をピクピクさせながら
草を食べ始めた
「よかった・・・」
安堵してその様子を見る
そうしていると日が傾いたのか
一気に森は暗くなった
夜か・・・
一晩どうしようか・・・・
グゥー・・・
「俺も食べよ」
そういってお弁当を食べた
すべては食べずに半分で終える
なぜなら
「まだなにも確保できてないしな・・・木の棒エクスカリバーしか・・・」
そういって木の棒を見つめる
火も・・・
「つける手段が・・・」
原始的に摩擦で起こすか?
にしても木がない
あれは乾いた木でやらないとできないだろうし
まだその枯れた木を発見するまでに至ってない
かといってもう日が暮れたこの森を一人で歩くことなど・・・
「むり~~もうむり~~~」
クゥー・・・
腹減ったし
ひゅーーん・・・
寒いし
・・・・
暗いし
「はぁ~過酷・・・異世界とは・・・てか自然とは・・・」
いかに現代の日本という国が恵まれているか・・・
そんなことを思い
うさぎさんをみると
実は残しているものがあるが
あらかた食べ終えたようでそこに止まっていた
そんな姿を見て
「はぁー原始時代を思えばいくらかましか・・・・」
服やわずかながら食料もある
それは
「幸運なのか?しらんけど」
そういってうさぎさんを抱き寄せる
嫌がることはなくおとなしい
傷に触らないようにそっと・・・
フワフワ・・・モフモフ・・・
暖かい
すこしだけ目を閉じた
・・・・
ビクン!!
振動で目を開ける
するとうさぎさんは耳をたててないかキョロキョロしている
「ん?」
その挙動に合わせて同じようにあたりを見渡す
しかし
「全然わからないってか暗すぎ・・・・」
そう思いスマホを取り出してライトにしようとする
その時
ガサガサっガサ
っと物音
「え?」
急いでスマホと木の棒を片手にその音の方に視線をうつす
・・・・
「・・・・・!!」
今光った!!なんか!!
その瞬間
黒い影が俺ではなくうさぎさんの方に飛び掛かる
「うさぎさん!!」
とっさにその黒い影めがけて木の棒を振り下ろす
すると
「グギャン!」
という鳴き声と確かな手ごたえ
「やった!!」
しかしその黒い影はひるんだだけでもう一度体制を立て直していた
その姿を確認すべくスマホのライトを当てる
するとそこには大きなネコいやクロヒョウのような姿がでてきた
「おいおいマジか!!」
これは本当にやばいやつ
ライオンとかトラなんて現実でも命に関わる動物なのに
こんなヒョウみたいのと戦うなんて無理
そう思いうさぎさんを抱えようとするが
その大きなネコは今度はこちらを見据えて飛び掛かる
「やば!!!」
その顔に木の棒を振る
がしかし
ブン!!
空を切る
そして
シュン!
という空を切る音ともに
木の棒を持っている方の手を
爪でひっかかれる
「ガぁ!!」
声がでた
腕が取れるのではないかというくらいの衝撃と
腕がなにかすごく熱い
そして血が伝うのがわかる
その状態で体制はすでに崩れており
片膝をついていた
その姿に大きなネコは
最後のとどめと言わんばかりに大きな牙をむき出しに飛びついてくる
オワッタ・・・私の異世界生活・・・完
と次のとき
今度は白い塊が大きなネコに横からあたる
「!?」
ドン!!
鈍い音をたてて大きなネコは真横に飛んで
木にたたきつけられる
「ギュン!!」
大きなネコは奇妙な声を発してその場に落ちる
そしてその白い塊を確認すると
「うさぎさん!!」
うさぎさんがいた!
あった時と同じあの体当たりで大きなネコから
俺を守ってくれた!!
「ありがとう!!うさぎさん!!」
うさぎさんは鼻をピクピクさせて動かないけど
きっとこの感謝は伝わったはず!!
しかし、その余韻に浸っている場合ではなくすぐにスマホで
大きなネコを照らす
すると
よろめきながらも立ち上がろうとする
「こいつ!!」
これ以上は無理だ
今しかないと
スマホを持っている手を大きなネコの頭上から振り下ろした
ドン!!
これまた鈍い音そして
ドサ
っという音ともに大きいネコは崩れ落ちる
「やった?」
確認する
するとピクピクと痙攣している
まだ生きている?
そう思い足をあげる・・・
しかし、
うさぎさんがこちらの様子をジーっとみていた
その姿に
「・・・」
無言で足を降ろす
なんかできなかった・・・
うさぎさんがなんか言ってる気がした
「それ以上はいい」って
でもここからは逃げないと・・・だけど
俺もケガしてうさぎさんを持っていく自信がない・・・
さらにこの森を暗闇の中歩く自信もない・・・
「もう・・・いっか・・・」
そう言ってうさぎさんに寄って行った
ピクピク鼻を動かすうさぎさんに癒されながら
自分の傷を確認する
思ったより傷口はひどくなく
来ていたインナーの裂けた方の袖をちぎり
俺にもうさぎさん同様の処置をしていく
骨が折れているとはなくいちよう腕は動く
確認しながら作業していると
「グルゥゥ」
とうなり声
大きなネコは体制を整えようとするがさっきので
ダメージがあるのかよろついている
「・・・」
その様子を少し眺めて警戒する
が
なかなか大きなネコはよろついていてうまくいかない様子
その姿に
「うーん・・・」
すこし考えて鞄をあさる
そしてお弁当に入っていた唐揚げを持ち
大きなネコに寄る
警戒しているが
その口元に唐揚げを差し出す
すると
「・・・クンクン・・・カブ!」
と一口で食べた
そして
おいしかったのか乗っかていた俺の手までなめる
「ペロペロ・・・」
ザラザラした感触が続く
その舌は唐揚げの油だけではなく
手についていた俺の血までなめ上げていく
「・・・」
その様子をながれていたら大きなネコは
ゆっくりと立ち上がり
そしてやってきた茂みに消えていった
「ふー・・・」
うさぎさんの横に腰をおろす
あの大きなネコも・・・
もしかしたらお腹が空いて
うさぎさんの血の匂いにつられてきただけなおかもしれない・・・
「なんか疲れたな・・・」
そういってうさぎさんの頭をなでる
「ありがとう」
言葉が伝わってるかわからないけど
うさぎさんは動かずに
じっと俺のなでる手を迎え入れていた
・・・・
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