第33話 普通じゃないと嫌われるだよ

 「明日はどうなる?」

 「わからない…」

 「明日があればどうする?」

 「親に感謝を伝える」

 「明後日があればどうする?」

 「友達に感謝を伝える」

 「そんなこと言えるなんて、君は幸せものだな」

 「そうかもしない」

 「いや、そうですよ。幸せだからそんなこと言えるんですよ。そしてその感覚がこの社会では標準的だといわれている。この標準的な感覚がなければこの社会では生きづらいだろうな」

 「それ以外の人たちは疎外されると?」

 「それを態度や言動に出せば、そういうことになる。この社会は標準的な人じゃないとかなり生きづらいようになっている」

 「そうですか。じゃあ僕は幸せものですね」

 「そういうことだ」



個性的というのはこの社会では異質とされる。個性的である人は、誰しもが、後ろ指を差されたことがあるだろう。

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