第22話 エリートにはついていけない

 先日、サラリーマンの友達と食事した。

 その友達は幼稚園から中学校まで一緒だった。

 他愛もない話から、理想の体型と言う話になり、私の体型がだめだと言われた。さらにどのような食生活をしているのかと聞かれ私は自分の不摂生な生活を開けっ広げに話した。その彼は眉間にシワを寄せ私の話を聞いていた。どうやら彼と私の健康意識には大きな隔たりがあるようだった。さらに話は拡がり、仕事の内容や収入、結婚観、起業意識、日本経済、老後の生き方にまで話が拡がった。私と彼とはどの話も見解が一致しなかった。まるで考え方が違うのだ。しかも私は彼に対してしなかったが、彼は私の稚拙な見識をあろうことか必用に論破しようとしてきた。まるで自分の話が正しいというように。私は彼と他愛もない雑談をしにきただけなのに、こんな生真面目な、エリートサラリーマンがするような話をしにきたのではないということを主張したい。ただ私は他愛もない、1円にもならない雑談(昔の思い出や担任の先生の悪口、部活動の思い出)などを話したかったが、まさかこんなエリートでもないのに、旧7帝大を卒業してもいないのに、こんな生真面目な話をするとは思わなかった。私はバカな思い出話がしたかった。

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