　店員がにっこり笑い「いらっしゃいませぇ」と言った。

　僕は「こんにちは、僕はあまねです」と言った。

　店員は「ポイントカードはお持ちでしょうかぁー？」と苦笑いしながら言った。

　僕は宣言した。「僕の趣味は釣りとポーカーです」

　店員はそれを無視して「おにぎりが一点、コーヒーが一点」と商品を軽やかにスキャンしていった。

　僕は言った。「僕とポーカーしませんか？」カバンからトランプを取り出しそれをチラつかせた。

　店員が飛び切りのスマイルで「以上で２５６円ですぅ」と言った。店員は僕みたいな客に慣れているようだった。

　僕は滅気ずに言った。「今日の朝ごはんは何でしたか？」

　「卵かけご飯でぇ〜すっ」

　店員はマスクをはずし、舌を出し笑った。

　僕も笑った。

　僕は「もうおかしな人間のフリはしません」と店員に言った。

　店員はニヤリと笑い「あなたがおかしな人ではないことはわかっています」と言った。

　商品を受け取り、それを聞いた僕は大胆にも、手を大きく振りムーンウォークしながら店の外に出た。

　店員は笑っていた。

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