第43話 体力測定⑤ 埼玉

「よーし、この前の身体測定の時は散々だったけど体力測定で挽回だ」

 埼玉は一人握り拳を作って自分を鼓舞する。

「それにあんな胸ならきっと走れないだろうし運動は貧乳のわたしが……」

 しばしの沈黙ののち、埼玉は自暴自棄になった。

「ふふ……貧乳……ふふふふふ……」

 もう少しして、なんとか回復してから、

「ま、まあ貧乳はステータスとして、うん、大丈夫大丈夫、そんなことよりもここで東京くんにいいところを見せて……見せて……」

 ガクッと地に手をついて埼玉はうな垂れる。

「考えてみればわたしって運動音痴じゃん……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る