2/16 一盃口の立場

 これまで書いてきた通り、自分は新しい音楽に巡り会えないことへの強い欲求不満を持っている。その八つ当たりとして、検索、音楽探求の妨げになる自分の嫌いな曲たちへの罵声を吐くわけです。


 ですが、一応自分も多様性を推進したい立場ですので、自己正当化、自己弁護を行い、立場を確定させたいと思います。ちなみに、たぶん自分はこれから示す行動規範を少なくない回数違反したでしょうし、これからも違反するでしょう。著しい違反があったらご指摘頂きたいです。


 自分としては、公として、絶対的な観点から見れば、文化に優劣はつかない、と考えています。ですから、現代人の常識も、研究者の常識も、その本質的な価値を定めることはできません。制作過程が法を脱したもの、コンプライアンスを逸脱したものであっても、その結果に完成した文化には優劣はありません。

 この考え方を例示するとしたら、このようになります。

 「坂道グループは握手会商法を用いて、本来一人につき一枚しか購入しないシングルを複数枚購入させて、シングルの販売枚数という人気測定を著しく破壊した。しかし、それは楽曲がコンプライアンスを違反しているためにイメージが毀損され、悪いレッテルが貼られたというだけで、楽曲の質が必ずしも悪いとは限らない。」

自分は、レコード会社がこのような音楽そのものの価値を無視した商法を始めたことには強い恨みを抱えていますがね。


 しかし、僕個人でしたら、好きか嫌いか、その優劣は相対的に作ることができます。もちろん、執拗に警告しますが、の基準です。決して人類全てが共通の基準を持っているなどという訳ではないです。こちらの場合

 「、ガキ臭い歌詞で頭に花畑が咲いた妄想めいたカマトトな曲を無駄に多い人数で歌う坂道グループは音楽アーティストとして最低最悪だと思う。」

こういう立場は表明できる訳です。もちろん、こうした主張は場合によっては反論するべきでもあります。ただし、「僕は〜思う」ではなく、「一般的に見て坂道グループは最低最悪だ」と言った時です。一般なんてものはありません。芸術に普遍はありません。


 は、坂道グループは検索のノイズになる上、町中でかかると不快な気持ちになるのでなるべくもっと見えないところに行って欲しいとは思いますが、多様性を守りたい立場として、もちろんそれを公に(もちろん潜伏活動も)行動しません。そういう排斥行動をしたら、自分の自由もなくなります。あと、そんなことで他人を非難して人間関係を悪化させる意義も見いだせません。


 また、自分が思うに、坂道グループの専門家がいてもいいと思います。坂道グループの良い点を細々と分析してもらって全く構いません。市中で坂道グループを嫌う人ははありますが、別に音楽の価値なんてものは多数決では決まりませんから。特に、前話にて僕は歪んだr1 8紛いの解釈をしましたが、『不協和音』が思想に与えたことは決して小さくありません。あれをハッキリ言う必要があることを私達は忘れていたことを強く見せつけられましたからね。まあ、もちろん忌み嫌っておりますが。


 また、私達はボカロと最新の楽曲を正直言ってナメているのではないでしょうか。

 ボカロは楽器である、という言葉は僕をして酷く憤慨せしめるものでありましたが、その発言はボカロを示すものではないのでは? ボカロと聞くと、先の坂道グループのようなギャルゲー色を連想させますが、実態は少し違うでしょう。

 怨嗟の声と共感、自分の爆発、こちらもまたボカロの特徴であるように思います。特に爆発ですね。同調圧力が先の時代からどれほど変化したかは知りませんが、僕含む若者たちはセンセイに解放されて自由になれと言われているのに同調圧力を結成して萎縮し、理不尽に耐える日々を送っています。それを爆発させることが求められている、のかもしれません。これでは単に『うっせえわ』のことになりますが。また、怨嗟と自虐、共感。勝手に持ち出すことに罪悪感があるが、

『×はんでぃ♡きゃっぱー×』聞けば分かるかもしれない。ちなみに、ハンディキャップは障がい者を示し、差別用語であるとされる。challengeの方がいいらしいです。

 また、歌手の多様化がかつてないほど激しい時代にいます。1998年デビューの女性シンガーソングライターという懐古厨にすれば最後の光であった人たちよりも多様化が進んでいます。あの時もすごかったですよね。浜崎あゆみ、aiko(『milk』)、椎名林檎、宇多田ヒカル(『wait&see』)、個性しか無かった。

 しかし今はもっと……ですね。今正直知らんのですが、完全にK-popに追随したSixTONESらジャニーズ(ちなみに坂道グループ並に嫌ってます)、ゆずなどの普遍的なバンド、髭男、米津さん、Perfume、LiSA。メジャーどころですね。こっからマイナーどころ? に行きます。にしな『夜間飛行』、羊文学、psyqui『don't you want me?』、トリプルファイヤー(散歩の達人という雑誌でよく喋っている)、やくしまるえつこ『少年よ我に帰れ』。いくらでもいる訳です。

 多様性というものが面白いんですよね。最近、一部の邦楽で邦楽の洋楽化が顕著なんですよ。サビ無し、押韻、Lo-Fi、Chillを特徴として。にしなと羊文学、あと、adoはとても露骨でした。


 実はadoの人気が結構若者以外でも高いんですよ。僕の方がむしろ敬遠してるくらいに。娘が音楽を聞いてるのを見て、父親が普段は「変な曲」と文句を言うのに「それいい曲だな」とか褒め出したりしたようです。もとのコメント見つかりませんでした。僕は『ギラギラ』がアタリました。あれは普通に良いです。

 『うっせえわ』トラップはありますが(単語帳)今の音楽をステレオタイプで頭ごなしに、食わず嫌いに否定するのも貧相な態度だと僕は思います。僕もたまにブーメラン来ますけどね。



 さてさて。この辺で締めましょう。ちょっと奮発しますね。

youtube.com/playlist?list=PLt_FNFYXojpwXEegk79IxIGCfRDCt8eH0


冒頭にhttps://を追加して検索して下さい。これはガチで作ったのでお気に召されることを祈らせて頂きます。傑作選の1〜5は本アカなのですみません。

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