メイキングとコメンタリー:白魔女スーリとコミュ強王子

西フロイデ

Book Ⅰ

1-1.序盤で重視していること その1

さて。開始しました、『白魔女スーリとコミュ強王子』のコメンタリー編です。


ほんとは完結後に出す予定のものだったんですけど、まあ年末年始に多少の宣伝になればなとの思いもあり、先に公開することにしました。


第一話 ひきこもり薬草医、人探しを依頼されて困惑する(「老女と薔薇」)です。


映像としては、まず、「森のなかのすてきな一軒家」があって、その扉で来客を迎えるスーリの不機嫌な顔のアップ……が浮かぶように並べています。


ほんとは、この一軒家がどういう屋敷なのかの説明もしたいのですけど(なかなかすてきな一軒家ですからね)、そこは本筋と離れるので簡単にして、だいぶとんで第二話の冒頭でもうちょっとくわしく説明してますね。


いっぽうで、主人公のスーリの容姿や性格はきちんと描くように心がけました。これは、その次に登場するジェイデンも同様です。とちゅう、娘の会話もはさんで、この王子さまが秋の狩猟シーズンだけ逗留するということも示しています。この恋には時間制限があるということが、うっすらと印象づけられるといいなと思ってます。(何度も出てくるので、ここでおぼえてもらう必要はないですが)


これはジャンルの特性で、恋愛が主軸の話は、ヒーローとヒロインの特徴がすぐにわかったほうがいいと思うので。


このふたりに興味を持ってもらうことと、つぎのページをめくってもらうことを目標に、この1-1は書いています。スーリの決め台詞、「わたしは魔女じゃなくて薬草医」も、ここで出てますね。


それと、冒頭から主役はなんらかの動きがあったほうがいいと思っているので、ヒロインは来客の応対をしています。(欲を言えば、もっと読者が面白がるような動きがあったほうがいいよなと思います)なにが起こるのかな~、と思って次ページに移動してもらえれば、このパートは成功です。


蛇足ですが、村との距離で「焼きたてのパンがほどよく冷めるくらい」と表記していますが、このパンはひと固まりのわりと大きなパンをイメージしていました。英語でloaf of breadというときの感じです。「焼きたてのパンが冷める」だけではサイズがわからないので、「これくらい」と示したかったんですけど、適当な日本語が思いつかず、あきらめました。「ひと固まりの焼きたてパン」とでもすればよかったでしょうかね?

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