第21話 私は、何をしていたか


一般的な話が、終わりましたので、私の自己紹介をしたいと思います。



私は、ストックホルムで生まれました。



今のスウェーデンです。




それから、両親は、ウラジオストックに、移動したのです。



私は、ウラジオストックのことしか、覚えていません。



ウラジオストックでは、小さな花をたくさん集めていました。



プリントみたいにして、服に、模様をつけて遊んでいました。



物心が、つくぐらいになると、服のデザインを学びたくなり、学校に行き始めたのです。



タルタリアでは、何歳になったら、学校に行くとかありません。



自分が、学びたいものが出てきたら、行くのです。



そう言うシステムです。



学びたいもの、それは、いろいろです。



なので、学校ではなく、個人に教えてもらう場合もあります。



そんな感じです。


だから、学校も、毎日行く必要はなく、自分が、行きたければ、行く、そんな感じでした。



全然違いますよね?



現在の日本とは・・・・



それで、服のデザインを覚えたら、今度は、服を作りたくなって、縫製の勉強を始めました。




勉強始めたら、日本の新潟への移民が、決まったのでした。



私は、新潟に住み始めたのです。



新潟の気候は、今とは、全然違います。



みなさんは、現状の新潟を、イメージするでしょうが、雪は降らないのです。



雪が降り始めたのは、ある出来事が起きてからなのです。



それは、最後にまとめて、なぜ、気候が変わったのかについても、話をしたいと思います。




なので、イメージはそうですね。



暖かくて、温暖な気候でした。



そう、雪は、見たこともありませんでした。



そこで、初めて、日本人を見たのでした。



日本人の服装は、私たちとは、全然違い、布を何層も着ていて、暑いし、重そうだな、見たいな感じでしたけど、面白いなあが、感想でした。




根は、真面目で一生懸命働くし、なんか恰好や、しぐさが、面白いので、遠くから眺めている。



そう言うことばかりしていました。



ある日、縫製の学校に、日本人が来たので聞いてみました。



なんで、布を何層も重ねているのか?



答えは、寒いから・・・



えっ・・と、思ったのですが、日本人にとっては、少し寒いとのことでした。



だから、何層も布を、重ねてきているとのことで、意外でした。




私たちにとっては、まだ暑いくらいに感じていたので・・・



それよりも、驚いたのは、口に何かを入れ始めたので、じっと見ていると、その子は、私にも、何か御菓子と言うものを、くれました。




食べるとおいしいよ!



みたいなことを言うので、私も、同じようにしましたが、何も感じないので、口から出しました。




その子は、驚いていましたが・・・



それが、初めての食べるという体験でしたが、それが、最初で、最後でした。




後から知ったのは、日本人と言うよりも、人間は、食べ物を食べて、生命、肉体を維持していることを知ったのでした。



それと、食べ物を買うために、働くということも知ったのでした。

だから、誰もが、勤勉に働いていたのです。



小さい子供から、年取った人まで、働いており、それは、好き嫌いはなく、嫌いでも、朝から晩まで、働いていたのです。



タルタリア人は、そんなに働きません。



働くというよりも、自分の好きなことをするという感じでしたので、一日の中で、飽きたらやめて、違うことをする。



なので、日本人は、働き、私たちは、好きなことをしていたのです。



日本人の中には、タルタリア人と同じように、好きなことだけやるという人も出てきましたが、それは、ごく少数派でした。



なぜなら、ご飯を食べるための、お金が得られない。



そう言うことが、大きな原因だったと思います。



私は、実は、多くの人から、服を作ってもらいたいという依頼が、たくさん来ていましたので、服作りに熱中していました。



布は、持ってきてくれたので、それを使い、服をデザインして、裁縫をしてあげて、渡すということです。



当然、お金は、もらいません。



だって、私の好きなことだからです。



もらう人が、大喜びする姿だけで十分です。



やった  って、感じです。



とても、喜んでくれます。



そう言う風に、過ごしていました。



中には、別なものを、持ってきてくれたりしました。



おもちゃとか、本とか、そのころには、日本語の読み書きができたので、読んで楽しんでいました。




考え方や、受け取り方が、違うので、別世界みたいで、面白かったのです。



そんな感じで、過ごしてきたのでした。

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