第13話 メリーアン
楽器が届いてから二週間が経つ。
風と咲は、自宅で個人練習を
良は、17時から工場で練習をした。
譜面は、風が八千代台でアルフィーのバンドスコアを手にいれて、2人にコピーして渡したいた。
学校で会う度に、咲の指先に絆創膏が増えていった。
13歳の女の子には、ベースの弦は太く過酷であったがピンクのベースが愛おしく苦ではなかった。
譜面の読み方は、〝ひまわり〟で俊に習っていた。
3人は、土曜日の17時に待ち合わせをして、
音合わせをすることにした。
17時に工場の入り口で、ベースのケースを背負った
咲、スティックを片手にもつ良を出迎えた。
それぞれセッティングを始めた。
チューニングは、咲が音感がいいのが役立ち
風のチューニングも手伝った。
準備が整い良が「やりますか〜」と声をかけると
風は、「こっちは、オッケー」
咲も「こっちも オッケー」と返す
良がカウント唱える。
「ワン ツー スリー フォー!」
アルフィーのメリーアンのイントロが始まる
風のリフ、咲のベース 良のリズムが奏でる。
ジャジャジャ!
イントロが決まった。
3人が顔を見合わせる。
バンドの醍醐味の瞬間である。
唄が始まる。
夜露に濡れる〜
咲がマイクスタンドに近ずき、歌う
上手い なんとも言えない甘い声である。
がしかしそこまでだった。
唄だすとベースの手が止まってしまった。
つられて良の右手と左手もちぐはぐになる。
風も健闘するが、音をはずし、
演奏が止まってしまった。
3人は皆 大笑いした。
「なんだよ〜」とお互いを指差して笑う
咲は「楽しい!」そう思った。
良が、「でもイントロ完璧だよな!な!」
咲も風も、「完璧、完璧!」と盛り上がっている。
良が「よし、もう一回いこう!」といいイントロ
をプレイしたが、また同じところで突っ掛かり
大爆笑がおきた。
3人は楽しくて仕方なかった。
唯一のレパートリー メリーアンのイントロを
何度もプレイした。
夜も19時を回り片付けをはじめた。
風が「キーボード必要だよな!」と早くも欲がでてきた。
咲も、良も必要と口々に同意する。
良が「でも、シンセサイザー高いしな」と言うと
咲が「待って!あたし心当たりある!月曜日聞いてみる」と言った。
風と良は、「ホント⁉︎」とビックリした。
咲は、「月曜日楽しみにしてて」と言った。
3人は上手くなろうな!と約束した。
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