第11話 お茶の水にて
日曜日 朝 9時 商店街のセブンイレブンで
待ち合わせをした。
風 咲 良 皆時間どうり自転車で集合した。
風は、有村由美に、3人でお茶の水へ楽器を買いにいくことを報告したが、「本当に3人?」と少し 疑われたが、良が買ってくれるからと説明し
なんとか信じてもらえた。
咲は、ゼブラ模様のスカートに黒のtシャツと
明らかに派手だった。
小学生の頃3人で上野にいったことがあったが
3人の空気感はその時と一緒だった。
それは、風と良を安心させた。
咲が帰ってきたと、
違うのは、咲のファッションだけであった。
3人は、京成八千代台から船橋へ 船橋で国鉄に
乗り換えお茶の水駅についた。
途中電車の中であまりに、騒がしくしてしまい、
お爺さんに説教されてしまった。
良は先頭に立ち怒られていたが、時折変な顔で振り返るので、2人は笑いが堪えきれず余計に焚き付けてしまった。
お茶の水駅から、坂を下り2軒目にあった
〝黒部楽器〟に入った。
まず、店員さんにドラムセットへ案内してもらった。
初心者だと言うと、ヤマハの6万弱の黒のドラムセットをすすめられた。
良は即決だった。
理由は風と一緒の黒だからだ。
スティックとメンテナンス用品を多少付けてもらった。
余りの買いっぷりに、風と咲は「社長!」と呼んだ
良もすぐに調子に乗る。
次は、咲のベースである。
真っ先に目に入り「可愛い〜」と咲が飛びついたのは、アイバニーズのピンクのベースだった。
値段は4万円である。
その横に同じアイバニーズの黒のベースもあった。
「絶対ピンクがいい!」と言う咲と
「黒で統一しよう!」と言う風と
意見が真っ二つに割れた
「ピンク!」「黒」
「ピンク ピンク!」「黒!黒!」
そこに行司の良がはいり
「ノコッタ ノコッタ!」と
「ピンク山の勝ち〜」
と咲をたてた。
咲は、無邪気に喜んだ。
そのあと30Wのベースアンプも買い
計11万5千円の買い物であった。
支払いしようとした時
良が「あれ!財布がない!」
「え!」3人は「財布がない!」「財布がない!」
と大慌てで、良の体や、辺りをさがした。
「あの〜学生さんこれ?」とベース売り場の辺りにいた店員さんが見つけてくれた。
3人揃って「良かった〜」とへたりこんでしまった。
店員さんに「送り先どうしますか?」と聞かれ
「風の家」と良と咲が答えた
風は「え?!俺ん家?」
咲と良は「え?どこで練習するつもりだったの?」
「風の家の工場しかないじゃない?」
風は、「あっそうか!親父にたのまなきゃ」
と無計画ぶりを露呈した。
ともかく3人は、無事ドラムとベースと3人組のノリを手にいれ、皆 満足で家路についた。
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