13話:幼馴染からの追及

 最近、イメージが変わることが多い


 基本的に、女子だが


 ただただ、怖くなることしかない。


 男性が女性の尻に敷かれるというイメージが、

 今まで無かった訳だが男性が女性に主導権を奪われてしまうのも仕方は無いことなのだと納得する。



「ねぇ、どういうこと?」


 今は、休み時間、香が俺の席でどういうことかを、尋ねる

 ここで、何が?と返すことはできないだろう。


「朝、花が言ってた通り、付き合ってます...はい」


 委縮もあり、縮こまってしまう。


「いや~それにしても、雄太が先に付き合うとはな~

 俺も、びっくりしたわ!


 しかも、相手は水田さんだろ?


 羨ましいぜまった―」


「ちょっと、ハジメは黙ってて」


「はい...」


 いつもの調子のハジメも、黙ってしまう。


 基本的に、怒っている女子に対して、男子の立場は勝てないのだ。



 花という、学年の高嶺の花と付き合うことで

 本来であれば、今頃クラスメイトに今頃睨まれているはずであるが


 そのクラスメイトも、同情と憐みの目をこちらに向けてくるあたり


 余程、ここにいる生き物は可哀そうに見えているのかもしれない。


「それで、か説明して」


「どういうことと、言われましても...」


「あ、そう、説明できないの」


「その、説明できないですね...」


 汗がだらだらと出て止まらない。

 付き合ったシチュエーションが、シチュエーションだけに、なかなかべらべら話していけないことが分かる。


 それゆえに、説明できない。


 それに、したところで信じてもらうことができないというか

 それこそ、言い訳にしか見えないだろう...


 と、自分のことは色々と棚に上げながら自分に言い訳する。


「てか、そこまで雄太が言わないんだったら


 なんか、事情あるんじゃね?

 普通だったら、ぺらぺら自慢しそうなもんだし」


 「そんなもんだよな」と言ってニカッと笑いながら

 ハジメが言う。


 ナイスアシスト


「それも、そうかも...」


 「そうだよね、うん。」と納得して香は頷く。


「よし、それじゃこれで、話終わりでいいじゃん」


 こうして、ハジメが話を締めた。


 ☆


「おい、三田」


 話を終えたのもつかの間である。


 1人のクラスメイト(普段聞かない声)が肩に手を置く。


「ん?」


 席に座っている俺が、首だけ後ろを振り返り。

 顔を見た。


 背は低い、男子生徒だ。


「なんで、お前が水田さんと付き合ってるの?」


 突然現れて、お前呼ばわりとは、凄いな

 ある意味感心する。


 しかし、ここまで悪意しかないのであれば対処も簡単。


 てか、真横に香もハジメもいるのに、堂々と聞けるものなのか?


「いや、佐竹は関係なくね?」


 俺が言おうとしていたことを、ハジメが代弁してくれる。


 名前は佐竹と言うらしい。

 覚えたぞ


「いや、でも俺も告白したのに、彼女は僕を選ばなかったのに、なんで三田は...三田は...」


「いや、俺もそれ良くわからんけど、わざわざ本人を前にして妬ましい感出して、言うことじゃないでしょ、少なくとも。」


「今は、新と話してるんじゃない!

 僕は、僕は三田に言ってるんだ!邪魔しないでくれ!」


 子供っぽさが前面に出ている。


 高校になってまでこの性格が抜けないのは凄いことだろう。


「あの、俺も正直分からないんだ。

 だから、すまん...」


 と一つ謝罪だけしておく。


 俺は、別に両想いで付き合ってるわけではないし。


 好きな人を押しのけて、このポジションを手に入れてるのも事実。

 まだ思考は、読めないが、ある程度良好な関係も築いてるし


 ある意味挑発に近いが、俺はそう思っている


 だからこそ、謝る必要があると思う。


「う...うぅ...」


 子供っぽいが、悪い奴ではないのだろう。

 佐竹は、返事をせず。


 自分の席へ戻っていく。


 こうして、濃い休み時間は終わった訳だが。


 これは始まりに過ぎない。


 次の荒波は、昼休みに訪れる。


 ☆


「ゆーたーくーん!

 お昼ご飯食べに行こー!」


 普段と雰囲気の違う、高嶺の花モードでない、花が再び


 荒波を立てることとなる...

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