第14話 空腹嬉遊曲
「頭が痛い、最近脂っこいものを食べてるからかなぁ。血圧上がってるからかなぁ。………。きぃええええええええええ!!!!!!!!」
『ぎゃぁぁぁぁ!!!!』
「どうしたのちゃん美優ーー。不審者に絡まれたような悲鳴をあげて?」
『いや、そのまんまよ!今不審者に絡まれてたのよ。』
「ほんと世界って怖いな。一時も油断できないね。」
『ええ、情緒が壊れてる変態とかに気をつけないと。で、奈緒は何で目がキマってるの?』
「へ?キマってる?何が?」
『いや、いいわ。深く聞くととんでもない情報が出てきそうだし。』
「なーに勘違いしてるの?綺麗な花が咲いてると思って近くで嗅いだら、一瞬で疲れが吹っ飛んで昇天しそうなくらい頭も体もスッキリしてるだけだよーー。」
『そっか…。その花はどこに通報すれば良いんだろ…。警察庁?』
「いや、ヤバい花じゃないよ!黄色くて綺麗な花だったなぁー。嗅いだら全身の力が抜けて時間の流れがゆっくりと感じたけど、私今、血圧高いから。」
『いや、血圧関係なく、ケシ科の植物よねソレ。完全にキマってる人の感想だもの。』
「違うもん!お腹すいてて目眩がしただけだもん!」
『お腹すいてるのにキマる訳ないでしょ!』
「きぃえええええええええ!!!!!!!」
『ぎゃぁぁぁぁ!!!!!!!』
「………。」
『………。』
「ちゃん美優、今日情緒おかしいよ?」
『あんたに言われたくないわよ!!!!奈緒にだけは一番言われたくないのよ!!!』
「ちゃん美優もお腹すいてるの?私は成長期だからね。食欲が止まらないの。ファミチキとスライスチーズを買って家でおやつ感覚でチーズファミチキにして食べるくらい食欲お化けだよ!」
『そりゃ高血圧にもなるわよ。40代の独身男性みたいな悩み抱えてさー。』
「横隔膜?」
『高血圧よ。なんで目はキマってるのに耳は機能してないのよ。』
「登校するときもね、お腹減るんだけど、いつもの通り道にいつの間にか咲き出した黄色の綺麗な花。その花の匂いを嗅ぐと邪念とか吹き飛ぶんだよね。雲が全て流れてお日様が顔を出す感じ。心が暖かくなれるんだよね。」
『ねえ、毎朝ソレ嗅いでるの?ケシ科のヤバいやつでしょ?』
「ケシ科じゃないもん!ただ、福祉センターとかが目を付けてるって噂がある花ではあるけど。」
『いや、アウトでしょ!福祉センターが目を付けてるのよ?』
「セーフだもーん。福祉センターに目のキマった人達が"あの花を処分しないでくれー!俺達にはあの花が必要なんだー!"ってデモ起こしてるの見たもん。それほど、あの花は愛されてるんだよ。」
『いや、中毒者の言葉ね。確実に依存症になってるじゃない。』
「確かに、超平和バスターズのみんなもめんまに依存してたから心が不安定になってた。でも、みんなが心を一つにすれば空にロケットだって飛ばせる。」
『アニメのあの花の話はしてないのよ!分かる?奈緒も限りなく中毒者予備軍なのよ?序盤に頭が痛いとか言ってたわよね?お花嗅ぎすぎて脳が壊れてきてるのよ!』
「なるほど、だから最近めんまが見えるようになってるのか。」
『それはまた別の症状な気もするけど、人たんだってまんま依存をやめて大人になったじゃない。奈緒もその花への依存をやめて一歩進み出さなくちゃね。』
「でも、この世界歳を取らないシステムだから、あの花でいうとめんまという優しい幻の中で一生過ごせるから。ハッピーエンドでしょ?」
『優しい幻は人の精神を壊すのよ!ゆきあつを見なさい!めんま女装して迷惑かけまくったあの出来事を思い出しなさい!』
「は!そうだった!人としての尊厳が無くなるところだった。」
『その言い方だとゆきあつは人としての尊厳が死んだって事になるわね。』
「私、福祉センターに連絡するよ!」
『そうよ!その心変わりが、最後のあの手紙の名シーンに繋がるのよ。』
「そうだよね!だから、また会えるよね、ヒナゲシの花。」
『は?ヒナゲシ?……。あの花って、ヒナゲシだったの?』
「そうだけど?」
『はぁ…。ノンアルコールビールで酔えるタイプなのね。』
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