補佐役として転生したら、ダメダメ美少女勇者さまのお世話をするはめに!?
有永 ナギサ
1章 補佐役と勇者の少女
第1話 プロローグ
不気味な黒い雲におおわれた空の下。木々が風でざわめく暗い森の中。シンヤたちの目の前には
「――う、うぅ……、戦わないと……、戦わないといけないのに……」
そんな中、銀髪のはかなげな雰囲気をまとう少女がその場にくずれ落ち、恐怖のあまり震えながら自身の肩を抱いていた。
だがそれも仕方のないことだろう。確かに彼女は女神により、世界を救うため
(――ははは……、実際オレもそこまで覚悟とかはないんだけどな)
思わず心の中で笑ってしまう。
もともと勇者の少女に任せていれば、すべて片が付くだろうと
(だけど戦わないと! こんなところで彼女の想いを、夢を踏みにじらせるわけにはいかない!)
シンヤは知っている。どれだけ彼女が
「安心しろ。オレがなんとかするさ。なんたってオレはキミの、
少女の頭にポンっと手を置き、やさしく笑いかける。
「――シンヤ……」
すると少女は胸をぎゅっと押さえながら、
(ははは、そういえばこんなこと初めてかもしれないな。ここまで本気になるなんて)
生前は本気でやりたいことが見つからず、ただ流されるだけのつまらない人生を過ごしてきた。そんなシンヤであったが、ここにきてようやく胸を張って宣言できる自身のやりたいことを見つけた気がしたのだ。そう、すべてはこの少女の夢をかなえてあげたいと。
「さて、始めるとしようか。その
そしてシンヤは愛銃のリボルバーを魔人の男へと突き付け、声高らかに宣言するのであった。
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