【小学生力士】の死
【この作品は許諾を得ていない二次創作と判断されたと思われたために、キャラクター名などを変更しました】
【小学生力士】が死んだ。おそらく殺害された。体の一部分が千切れ飛び、壁にぶつかり潰れていた。惨殺である。
「【小学生力士】君は、悩んでおるようじゃった。最近は、夜遅くまで起きている日も多かったようじゃし、部屋の前を通ると、うなるような声が聞こえてきた時もあった。心配になって、ドアを叩くと、慌てたように「なんでもない」と言うんじゃが、気になって部屋の中に入ると、汗がびっしょりだったんじゃ。」
【大関・髭の海】は、そう言った。【小学生力士】の死後、真っ先に疑われたのは、彼だった。だが、指紋等々、物的証拠がなかった事から、その容疑はすぐに晴れた。殺害方法が、特殊過ぎる。ただ、死後の調査で驚かれたのは、【小学生力士】には戸籍がなかったという事だ。【大関・髭の海】の私生児とも考えられたが、DNA鑑定により、それは、否定された。なお、これは、筆者が調査した結果であり、公式によるものではない。【小学生力士】の出生に関しては、【大関・髭の海】は、「よく分からない。」と、言葉を濁し続けている。
「…わいには、何も言えん…。くそ!【小学生力士】…。」
【西の大関・平の海】は、苦々しく言い放ち、拳でテーブルを殴った。彼は、西の高校生【大関】と呼ばれている。彼は、【小学生力士】と親交があった。高校生とは言え、【大関】と呼ばれているのだから、何か、私のように、独自に捜査を進めていると期待したが、期待に終わったようだ。彼が呟いた「【小学生力士】」とは、【小学生力士】の事であろう。西の【平の海】と並んで東の【小学生力士】と称される高校生【大関】だが、随分前から失踪中のようである。本件においては、特筆すべき点はない。
「…【小学生力士】君の事は、本当に残念だった。色々と私も手伝ってあげたけど、助ける事は出来なかった…。【小学生力士】君が後、5年、せめて、3年生きてくれれば、こんな事には…。私は…女に生れて良かったと思う。少なくとも、彼ほど、思い悩む事もなかったし、なんとかなっていたから…。」
【小学生女将】。ミステリアスな雰囲気をたたえた少女は、そう言った。彼女は、事件の真相に関して何か知っている。そう確信し、根掘り葉掘りと探りを入れれてみたが、「私は何も知らない。」の一点張りだ。今度、食事にでも誘ってみようか。
私は、【小学生力士】は、何か、悪魔的な宗教儀式を行う団体に殺害されたのではないかと推測している。彼は、【マゲ】を千切り飛ばされ、その結果、死亡した。失血死である。小学校一年生を…なんとも惨たらしい殺害方法である。
私は、なんとしても、この事件を解決したい。【土俵】はいつも一つ、だ。
※はてなグループ(サービス終了)で「DATE: 08/24/2008 」に公開されてました。
13年越しに作品解説してみると、頭脳は【大関】で身体は【力士】だから、【四股】は大人、でも身体は【力士】だから【寄り切り】しても【八艘飛び】はしない。だから、【稽古し】まくった結果、【マゲ】が吹き飛んでしまったという痛ましい真相を想像してもらう物語でした。当時、真相に行き着いた人がいるかは知りません。
【2021年12月13日にカクヨム運営により公開停止となりました。作品解説に、性的な表現が多用されていたので、全て修正しました】
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